白色申告は帳簿つけと保存が義務!でも書き方は簡単でした(エクセルテンプレート付き)

白色申告する場合、以前は事業などの所得の合計が300万円以下なら帳簿をつけなくてもOKでした。
ですが2014年(平成26年)1月から、すべての人が帳簿をつけることが義務になってしまいました。
しかし…
「利益がなくても必要なの?」とか
「貸借対照表とか貸方と借方とか意味が分からない!」とか
そんな声が聞こえてきたので、
- 帳簿を付けないとどうなるのか
- 白色申告での帳簿の付け方
についてまとめてみました。
白色申告での帳簿の付け方は、ネットで調べることができます。
しかし青色申告と混同して説明されていることが多く見受けられます。
そのため、読んだ人が難しいと感じてしまうようです。
そこでこの記事では、白色申告のみについて説明しています。
また、私が白色申告をしていた時に使用していたエクセルシートを、改良してダウンロードできるようにしました。
よかったら使ってください。
※在宅ワークや内職・個人事業主の方で、確定申告が必要かどうかわからないという方は、別記事で確定申告について書いているのでチェックしてみてくださいね。
■知らずに脱税!?在宅ワークや内職で確定申告はいくらから?
白色申告でも帳簿を付けないと大変なことになる!?
帳簿をつけないで確定申告をするとどうなるのでしょうか?
申告時に帳簿の提出を求められません。
確認もされません。
だから、帳簿を書いてなくても確定申告書を受け取ってもらえます。
ただし税務署の特設会場で相談しながら申告書を作成する場合は、帳簿を書いてないと書くように指導されます。
参考:税務署の担当と相談しながら確定申告する
基本的に申告書の提出と、帳簿の作成の有無は関係ないんです。
ですが問題はずっと後になってやってきます。
白色申告でも税務調査の対象に!
白色申告なら税務調査されないと思っている人が多いです。
ですが、そんなことはありません!
白色でもキッチリ調査されます。
税務調査でチェックされるのが帳簿や領収書。
確定申告した内容と合っているか、入念に確認されます。
ですが帳簿がないとチェックのしようがありません。
ではどうするのか?
調査官は「推計課税」という方法で税額を計算します。
すい‐けい【推計】
[名](スル)推定して計算すること。推算。「次年度の所得を推計する」
同じような業種の申告内容や本人と取引している企業から得た情報などから、税額を予想するのです。
しかも、できるだけ多く課税できるように予想します。
つまり「推計課税」されると、申告した税額より高額になることが多いのです。
そして追加で税金を払うことになります。
さらに帳簿をつけているのかチェックの意味を含めて、翌年以降も税務調査されてしまうのです。
申告の必要がなくても帳簿は義務!
所得金額が38万円以下なら「確定申告をしなくてもいい」のですが、帳簿はつけましょう!
そもそも帳簿をつけて計算した結果、所得金額が38万円以下になったと把握するものです。
「帳簿がないのに、どうやって計算したの?」
とつっこまれてしまうのです。
帳簿は7年間保存!
帳簿は7年、請求書や領収書は5年間保存することが義務になっています。
税務調査されて時に、「7年前の帳簿を見せてください」といわれることもあるのです。
「ありません」
は通用しないので、年度ごとにファイリングして保管しておいてくださいね。
ちなみに私は、毎年次の3点を購入してファイリングしています!

二穴式のリングファイルで、かなりの量をファイリングできます。
なにより色が豊富なのがいいですね。
毎年色を変えて楽しんでます!

適当にファイリングすると、後で探すのがタイヘン。
そのため仕訳ごとに分類します。
その時必須なのが、インデックス用の仕切りです。
このインデックスは50枚もあって、かなり細かくわけることができますよ!

領収書や税金の納税証明書などを保存しておくのに便利です。
封筒のようになっていて、上側のチャックでしっかりとフタができます。
以前はフタがないものを使っていました。
ですが中身が全部出てしまったことがあって、フタつきに変更しました。
これは中身が飛び出ないの安心です!
3点セットでこんな感じ
↓ ↓↓ ↓↓ ↓
最初はこちらも必要です
↓ ↓↓ ↓↓ ↓

リングファイルにファイリングするために、穴あけパンチが必要です。
最初に一個だけ買えばOKですね。
この穴あけパンチは小さいので、邪魔になりません。
問題は、小さいからすぐにどこかに行ってしまうことです…
白色申告での帳簿の付け方
では次に、白色申告での帳簿の付け方についてお伝えします!
白色申告で求められている帳簿は、
「収入金額や必要経費を記載した帳簿」
です。
つまり仕事に関するお金が
- いつ
- どこから
- どのような目的で
- 入ってきた
- 出て行った
ということが、分かりやすく記載されていればいいのです。
参考:No.2080 白色申告者の記帳・記録保存制度【国税庁】
現金出納帳や売掛帳・経費帳などが必要と記載されているサイトがありますが、これは青色申告での場合です。
白色申告では、そこまで求めていません。
ですが余裕がある人は、専用の帳簿を使ってもかまいません。
ようするに、自由に選んでいいということです。
まずは帳簿を用意しよう
帳簿は手書きなら専用の帳簿やノートを用意します。
最近はパソコンが主流になってきたため、専用の帳簿は文房具店などで手に入れにくくなっています。
Amazonなどのネットショップを利用することも考慮してみてください。
■Amazonで手書き帳簿を探す
おススメはパソコンでの帳簿入力です。
excelなどの表計算ソフトは自動で計算してくれます。
だから手間がかかりません。
なにより計算間違いを減らすことができます。
国税庁が例として挙げている白色申告の帳簿
国税庁では、白色申告の帳簿の例として次のものを挙げています。
記入方法もリンクしてあるので、確認してみてくださいね。
国税庁で用意してあるのは、印刷して手書きするタイプの帳簿でした。
ですがパソコンで入力したいという要望もあります。
そこで同じ様式で、エクセルシートを作成しました。
数式等入っていませんので、ご自由に手を加えてご使用ください。
記帳練習帳(事業所得者用)
オリジナルで白色申告用のエクセルテンプレートを用意しました
現在私は青色申告をしています。
ですが以前は白色申告をしていました。
その際、帳簿はエクセルで作成していました。
その時使っていたエクセルを、プロの方に、誰でも使えるように改良してもらいました。
この記事の最後でダウンロードできるので、よかったら使ってみてください!
今の仕事を今後も続けるなら会計ソフトを使うべき
実は私は、2年目以降はオンラインの会計ソフトに切り替えました。
初めて帳簿を持って確定申告に行ったとき、非常に長い時間待たされたんです。
忙しいのに何もできない時間は苦痛でした。
ですが2年目は、会計ソフトで印刷した確定申告書を提出するだけで終わりました。
とてもラクだったので、驚きました。
その時の様子は、こちらの記事の最後で紹介しています。
会計ソフトについて書いているので、一度チェックしてみてくださいね!
帳簿は紙で保管が基本
パソコンで帳簿を作成したり請求書や領収書をメールなどでやりとりしている人は、全部印刷しておきましょう!
税金に関する書類は基本的に紙で保管することになっています。
税務調査で帳簿の提出を求められて「今から印刷します!」はNGなのです。
帳簿を記入する前に、証拠となるものを用意
税務調査では領収書や請求書などがチェックされます。
帳簿に書いてあることが本当かどうか確認するためです。
記憶を元に帳簿を記載すると「後で領収書を探したら紛失していた」などのトラブルになるので、事前に用意してファイリングしておきましょう。
白色申告での売上の書き方
店舗などで商品を売っていたりお客にサービスを提供している場合、一日の売り上げを合計して記載します。
在宅ワークなど報酬をもらっている場合は、取引先ごとに記載します。
振込手数料や源泉徴収されている場合は、差し引かれる前の金額で記載します。
その後振込手数料を雑費として経費計上します。
売上5,000円
経費(振込手数料)500円
源泉徴収は経費扱いになりませんが、他の用紙で集計したりメモで残しておくようにしましょう。
売上の日付はいつ?
白色申告の帳簿は物事が決まった日で記載します。
例えば、報酬を月末締めで翌月払いでもらっているなら、日付を月末で記載します。
これを「発生主義」といいます。
しかし請求書などで日付を確認できるなら、売り上げを受け取った日に計上してもいいとなっています。
これは実際に現金が動いたタイミングで帳簿をつけるので、「現金主義」といいます。
ですが年単位で見た場合、「発生主義」と同じ結果にならないといけません。
具体的には、年末で調整して、つじつまを合わせます。
12月締め1月払いなら、12月に受け取った金額と1月に受け取る金額を記載するのです。
ただし振込手数料が発生するのは、振り込まれる時です。
そのため振込手数料は振り込まれた年度の経費となるので注意しましょう。
翌年の1月は売り上げ計上をしません。
重複しないようにしましょう。
個人的には処理が面倒なので、「発生主義」で記載するのをおススメしています。
白色申告での仕入れの書き方
仕入れも売り上げと考え方は同じです。
仕入れ代金などを自分負担で振り込んだ場合は、振込手数料を雑費として計上します。
前払いしている場合
品物やサービスを受け取った日で記載します。
実際に支払った日(現金主義)で計上している場合は、年末でつじつまを合わせます。
12月払い1月受け取りなら、1月に計上します。
後払いしている場合
こちらも品物を受け取った日で計上します。
実際に支払った日で計上している場合は、同じように年末でつじつまを合わせましょう。
白色申告での経費の書き方
経費には様々な種類(勘定科目)があります。
科目は自分の自由に決めることもできますが、白色申告で作成する収支内訳書と同じものを使うと書き写すだけでいいので楽です。
経費の内容 | 説明 |
---|---|
給料賃金 | 従業員に支払った給与 |
外注工賃 | 外注に支払った費用 |
減価償却費 | 10万円をこえる物品を分割計上する際の金額 |
貸倒金 | 取引先の倒産等で回収できなくなった売り上げ金 |
地代家賃 | 事務所などの家賃 |
利子割引料 | ローンの利息など |
租税公課 | 税金や組合の会費など。参考:租税公課|国税庁 |
荷造運賃 | 荷物の運賃、梱包費用、梱包資材費等 |
水道光熱費 | 水道料金・電気料金など |
旅費交通費 | 交通費・宿泊費など |
通信費 | 切手代、電話料金、サーバー使用料等 |
広告宣伝費 | チラシ、雑誌、ネット広告等 |
接待交際費 | 事業に関わる交際費、食事代等 |
損害保険料 | 損害に関する保険料 自動車保険、火災保険等 |
修繕費 | 事業に関わる建造物や備品、自動車などの修理費 |
消耗品費 | 10万円未満の物品の購入費 |
福利厚生費 | 従業員のために使用した福利厚生費 |
雑費 | その他の経費 |
記載する際の考え方は、売上や仕入れと同じです。
エクセルオリジナルテンプレート
以前私が白色申告をしていた時に使用していた帳簿を元にして、エクセルでテンプレートを作成してみました。
主に在宅ワーク向けの内容になっていますが、内職や副業でも使用できます。
使い方
■準備
売上集計シートを開いて、売上先名を入力します。
次に仕入れ集計シートを開いて、仕入れ先名を入力します。
■売り上げの入力
日付、売上先、金額を入力します。
売上先は、準備で入力したものをリストから選択できます。
また手数料を入力すると、経費として計算されます。
源泉徴収はテンプレート上では特に使用されていませんが、徴収されている場合は記録として入力しておくといいでしょう。
「発生主義」で入力する場合は、売り上げと手数料を分けて入力します。
入力した売り上げデータは、売り上げ集計シート上で月ごとに集計されます。
■仕入れの入力
仕入れも売り上げと同じように入力してください。
■経費の入力
日付、相手先、内容、経費種別を入力します。
経費種別はリストから選択可能です。
入力した経費データは、経費集計シート上で月ごとに集計されます。
最下欄の雑費計は、売り上げ・仕入れの振込手数料と経費の雑費の合計です。
ダウンロード
下記の免責事項をご了承いただける方のみダウンロードできます。
■免責事項
テンプレートの作成時に動作確認をしていますが、完全な動作を保証するものではありません。
また本テンプレートを使用した結果生じたいかなる損害・不利益にも当方は一切責任を負いません。
ご利用は自己の責任においてお願い致します。
白色帳簿オリジナルテンプレート
まとめ
いかがでしたか。
白色申告の帳簿の書き方について簡単に説明をしました。
仕事の規模が小さいうちは、それほど難しくないと思います。
取引が増えるにつれて、入力する件数も増えていきます。
手書きやエクセルでは間に合わなくなってくるので、その時は経理ソフトの導入を検討してみてください。
また、在宅ワークや内職・個人事業主の方で、確定申告が必要かどうかわからないという方は、別記事で確定申告について書いているのでチェックしてみてくださいね。
■知らずに脱税!?在宅ワークや内職で確定申告はいくらから?