第七回:年収201万円とその先の壁-パートの税金

【保存版】パートの税金について・意外と多い収入が減る8つの壁とは:第七回
こんにちは須永朋美です。
前回は、年収150万円の壁についてお伝えしました。
今回は年収201万円、さらにその先の壁についてお伝えします。
年収201万円の壁
妻の年収が150万円をこえると、夫側の配偶者控除が減額されます。
そして妻の年収が201万円でゼロになるのです。
配偶者特別控除がゼロになる
合計所得が85万円(年収150万円)から123万円(年収201万円)にかけて、夫の配偶者特別控除が段階的に減額されます。
次の表は夫の年収が900万円以下の場合で、1000万円をこえる場合は支給対象外となります。
配偶者の合計所得金額 | 住民税の控除額 | 所得税の控除額 |
---|---|---|
85万円超90万円以下 | 33万円 | 36万円 |
90万円超95万円以下 | 31万円 | 31万円 |
95万円超100万円以下 | 26万円 | 26万円 |
100万円超105万円以下 | 21万円 | 21万円 |
105万円超110万円以下 | 16万円 | 16万円 |
110万円超115万円以下 | 11万円 | 11万円 |
115万円超120万円以下 | 6万円 | 6万円 |
120万円超123万円以下 | 3万円 | 3万円 |
ゼロか満額かと考えると、所得税と住民税を合わせて約70万円の差となり非常に大きな金額です。
ですが次の段階との差は10万円程度。減税額は2万程度です。
働く時間を調整するか、稼げるだけ稼げるか悩むところですが、一か月にすると1600円なので、個人的には稼げるだけ稼いだ方がいいと思います。
その先の壁
実際のところ、パートの時給で年収201万以上の収入をえるには、高時給でフルタイムで働かないと難しいでしょう。
そのため、ここからは参考程度の紹介になります。
所得税が5%から10%に上がる
所得税は累進課税という方法で、税率計算されています。
累進課税は、所得が上がると税率が上がる仕組みです。
給与所得控除や生命保険控除後の課税所得金額が、195万円をこえると、所得税率が5%から10%に上がるのです。
なんと税率が2倍になるんです。
ちなみに課税所得195万円は、給与収入のみで、控除が基礎控除のみの場合、年収は約359万円です。
パートだと厳しいですね・・・
こうしてみると課税所得が195万円をこえないようにするのが、かしこい働き方のように思えますがどうなのでしょうか?
実は税金計算後に、一定金額を控除することができ、これが税率の上昇をゆるやかにしています。
課税所得金額 税率 控除額 195万円以下 5% 0円 195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円 330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円 695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円 695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円 900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円 1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円 4,000万円超 45% 4,796,000円
195万円を超え330万円以下の時の、実際の税額を計算してみると・・・
課税される所得金額 | 税額(10%) | 97,500円を控除後の金額 | 実質税率 |
---|---|---|---|
196万円 | 19.6万円 | 9.85万円 | 5.025% |
250万円 | 25万円 | 15.25万円 | 6.1% |
330万円 | 33万円 | 23.25万円 | 7.045% |
控除後の実質的な税率は、5%,6%,7%とゆるやかに上がっていくのです。
330万円をこえると、税率が20%になりますが・・・
課税される所得金額 | 税額(20%) | 427,500円を控除後の金額 | 実質税率 |
---|---|---|---|
331万円 | 66.2万円 | 23.5万円 | 7.099% |
360万円 | 72万円 | 29.3万円 | 8.138% |
7%,8%と、実際には急激な増税には、なっていないのです。
パートでこの金額まで稼ぐのは難しいですが、もし可能なら稼げるだけ稼ぐのがおすすめです。
次は第八回:パートでどこまで稼ぐのが得なのか