パートが社会保険に加入する条件とは

パート勤務で収入が増えてくると、気になるのが社会保険です。
特に夫の会社の社会保険に扶養として加入している場合、収入が増えることが大きなデメリットになりかねません。

そこで今回は、気になるパートの社会保険に関する疑問にいろいろお答えしていきます。

パートが社会保険に加入する条件

パート社員がパート勤務をしている会社の社会保険に加入する条件は以下の3つです。

社会保険に加入する条件

1.勤務時間及び日数が正社員の3/4以上

2.所定の複数の条件を満たしている

3.年収が130万を超えている

一つずつ見ていきましょう。

1.勤務時間及び日数が正社員の3/4以上

1か月のパートの所定労働時間時間・日数が正社員の3/4以上働いている場合、勤め先の社会保険に加入することになります。
たとえば、土日休みの会社で平日はすべてパートをしているというような人はこの条件に当てはまりますね。

所定労働時間とは、会社との契約で決めた労働時間です。
実際の労働時間ではないので、注意しましょう。

2.所定の複数の条件を満たしている

2つ目は、下記の5つの条件をすべて満たしている人です。

社会保険に加入する5つの条件

1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.所定内賃金が月額8.8万円(年収106万)以上であること
3.勤務期間が1年以上見込まれること
4.従業員501人以上(厚生年金の被保険者数)の企業で働いていること
5.学生でないこと

3の賃金には、残業代や賞与、交通費または通勤手当、家族手当などは含みません。

またサービス業などの場合、勤め先の店舗の人員が少数でも、全体で4の従業員数501以上という条件を満たしているケースがあります。
わからない場合は会社に確認してみてください。

3.年収が130万を超えている

3つ目は、年収が130万円を超えている場合です。
よく勘違いされるのが、年収が130万円を超えると社会保険に加入しなければいけないということです。

実は130万円というのは、夫の社会保険の扶養から除外される条件です。
そのため、自分が社会保険に入れるかどうかは、全く関係がない話なんですね。

もし年収が130万円をこえていても、上記の2つの条件を満たせない場合、国民健康保険に加入することになります。

パートで社会保険に加入したくない場合はどうする?扶養範囲で働く条件とは?

「手取りを減らしたくない」「社会保険に加入したくない」という人は、どうすればいいのでしょうか?
パートが「社会保険に加入する条件」の項目から以下の2つを調整して働くようにしてみてください。

関連記事:

労働時間・労働日数を正社員の3/4未満にする?

労働時間と労働数が正社員の3/4を超えてしまうと、社会保険に加入しなければいけなくなります。
では、それを超えないように働けばいいのでしょうか?

この条件については、原則的に会社取り決めた労働条件で判断されます。
つまり入社時や、契約更新時に社会保険に加入するかどうか決定されるのです。

しかしあまりにも契約と異なる働き方をしている場合、現実に即して社会保険に加入するケースがあるので注意が必要です。

年収を106万円未満にする?

年収が106万円未満になるように勤務時間や勤務日数を調整すれば、社会保険に加入しなくていいのでしょうか?

じつはこの金額も、原則的に会社取り決めた労働条件で判断されます。

パートのかけもちをしている人は注意!年収は合算で計算される

年収が130万円をこえると、夫の社会保険の扶養から外れます。
この年収は、すべての勤め先の合算で計算されます。

かけもちの場合は、一か所あたりの収入を減らしても、合計すると制限オーバーしてしまう可能性があるのです。
この場合、自分で国民健康保険と国民年金に加入しなければいけなくなりますので注意してくださいね。

なお、2か所以上から給与所得がある場合は確定申告の必要もあるので、併せて覚えておきましょう。

パートで社会保険に加入するメリット・デメリット

社会保険に加入すると手取りの金額が減ってしまうので、大きなデメリットだと感じてしまう人も多いと思います。

ですが長い目で見ると、社会保険に加入することはデメリットばかりではありません。
そこで、パートをしている主婦が社会保険に加入するメリットとデメリットについてご紹介します。

社会保険に加入するメリット

1.病気や、高齢になって働けなくなったときに、給付金や年金をもらうことができる
2.給料から社会保険料が差し引かれるので、その分所得税や住民税を安くすることができる
3.労働時間や年収の上限を気にせずに仕事をすることができる

これらを見ると、社会保険に加入することはデメリットばかりではないことがわかりますね。

また将来的に、夫がケガや病気で働けなくなるかもしれません。
そのとき、通常は夫婦ともに国民健康保険に加入しなければいけません。
国民健康保険は、会社負担や扶養などの恩恵がないため、負担が大きく増えます。

でも、もしあなたが社会保険に加入しているならば、夫を自分の扶養にでき、今後の負担増を抑えることができるのです。
いろいろな意味での保険として、社会保険に加入しておくのもいいかもしれませんね。

社会保険に加入するデメリット

「毎月の給与の手取り額が減る」これが社会保険に加入する最大のデメリットです。

社会保険の保険料は、給与額のおよそ15%です。
年収が150万円の場合、225,000円ほどということになります。
1,500,000円-225,000円=1,275,000円なので、単独で社会保険に加入しなければいけない130万円を下回ることになります。

金額面のことだけを考えるのであれば、年収が150万円を下回る場合は社会保険に加入すると損をするといえるかもしれませんね。

まとめ

パートで社会保険に加入しなければいけない条件についてご紹介しました。

一番最悪なのが、年収130万円をこえていて、勤め先の社会保険に加入できないケースです。
国民健康保険に加入しなければいけなくなり、社会保険に加入するよりも負担が大きくなります。

勤め先の会社の状況を確認し、自分の働き方を調整してみてください。

なお、パートの税金や社会保険について、次の記事で総合的に紹介しています。
ぜひチェックしてみてください。

 

 

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