定年退職後の仕事はどうする?おすすめは?

年金支給開始年齢は現在原則65歳から。
そのため定年を迎えたあと、年金が支給される65歳までの生活費の確保できるのか不安になります。
そこで今回は、定年退職後はどのように仕事を探したらよいのか、どんな方法があるかについてご紹介します。
定年退職後の仕事はどう探す?
定年退職後に仕事を探す場合、どんな方法があるのでしょうか。
定年退職後に仕事を探す場合、大きくわけて2つの方法があります。
1つめは、今まで勤務していた職場で継続して仕事をする方法です。
2つめは、新しい職場を見つける方法です。
それぞれについてもう少し詳しくご紹介します。
再雇用・勤務延長制度を利用する
再雇用制度や勤務延長制度は、高年齢者雇用に対する措置の1つです。
年金支給開始年齢引き上げに伴い、65歳未満の定年制度を設けている事業主は、高年齢者雇用安定法の措置の実施が義務付けられています。
わかりやすくいうと、事業主は年金が支給されるまで、従業員が仕事を確保できるようにする、という義務があるということです。
各制度について、簡単に紹介します。
再雇用制度とは
再雇用制度とは、定年に達した従業員にいったん退職してもらい、改めて雇用するものです。
一度退職する形になるので、今まで勤務していた分の退職金の支払いが発生します。
雇用条件は、今までの内容とは異なるケースがほとんどです。
一般的には、契約社員、嘱託社員といった形で再契約されます。
契約社員はフルタイムで働ける場合が多く、嘱託社員は1週間の勤務日数や1日の就業時間に制限があるなど、働き方の違いで名称がわけられていることが多いです。
再雇用を希望する場合は、雇用契約の内容をきちんと確認して納得してから契約する必要がありますね。
勤務延長制度とは
勤務延長制度とは、定年を迎えたあとそのまま退職せずに勤務を続けられる制度のことをいいます。
再雇用制度とは違い、延長期間が終了して退職するまで退職金は発生しません。
また、労働時間や賃金も変更がありません。
勤務延長をする場合は、本人の希望だけではなく労使協定に定められている基準に適合している必要があります。
条件を満たしているのかをしっかり確認しておくことが大切です。
求人サイトを利用する
今まで勤めていた会社を退職して、新しく仕事を探す場合、比較的簡単な方法は求人サイトを利用するという方法です。
求人サイトには、会社などが直接求人募集をしているものだけではなく、一部ですがハローワークで募集している内容なども見ることができるサイトもあります。
求人サイトを利用する場合のデメリットは、掲載できる文字数に制限があるケースがあるため、詳細がわかりにくいことがあります。
求人サイトのページから、必要事項を入力するだけで簡単に応募ができるサイトもありますが、100%会社から返信があるわけではありません。
応募する場合はネットからではなく、直接応募先に電話をすることがおすすめです。
また、ハローワークの求人情報が掲載されている場合は、ハローワークを通じて応募しなければいけない案件もありますので注意しましょう。
人材紹介会社を利用する
人材紹介会社は、転職エージェントと呼ばれることがあります。
転職エージェントに登録すると、専属の担当者がついて、求職者にあった仕事の紹介から応募までのサポートを受けることができます。
しかも、転職エージェントのほとんどが無料で利用することができます。
なぜ無料で利用できるのかというと、転職エージェント経由で採用者が決定した場合、企業側が成功報酬を転職エージェントに支払うしくみになっているからです。
つまり、利益は求人を募集している会社側から受け取っているので、求職者(利用者)は無料で利用することができるんですね。
定年後、仕事を探す場合に転職エージェントを利用するメリットは、今までのキャリアを生かせる仕事を見つけてもらえる可能性があるということ、また一般に公開されていない求人に応募できる可能性があるということです。
ただし転職エージェントを利用する場合は、担当者との面談などが必要になるため、自分のペースで仕事を探したいという場合は求人サイトを利用する方がいいかもしれません。
転職エージェントを利用する場合は、自分に合った仕事や担当者を見つけるために複数の会社と登録しておくことをおすすめします。
シルバー人材センターを利用する
シルバー人材センターとは、高齢者が働くことで生きがいを感じ、また社会貢献をすることを目的としてつくられた法人のことをいいます。
原則として、市区町村単位に置かれていて、それぞれが別の法人として独立した運営をしています。
シルバー人材センターで仕事を探す場合、生きがいを得るための就業を目的としているため、得られる報酬はあまり多くないことを理解しておきましょう。
全国のシルバー人材センターの所在地はこちらから確認することができます。
公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会
http://www.zsjc.or.jp/about/about_02.html
定年後に人気の仕事は何?
定年後に働く仕事の中で人気のある仕事にはどのようなものがあるのでしょうか。
定年後に働く仕事を探す場合、求職者と求人側の要望がミスマッチになってしまうことも多くあります。
そのため本人が希望している仕事と、定年後でも比較的採用されやすい仕事には違いがある場合があります。
定年後の仕事で男性に人気がある仕事
男性に人気がある、また定年後に再就職した仕事の種類で多いものは以下のとおりです。
1.ビルの管理人
2.介護施設、幼稚園のバスの運転手・タクシーなどの運転手
3.警備員
4.清掃業
これらの仕事が多い理由は、比較的体への負担も少なく、あまり経験がなくても採用されやすいことが人気の理由です。
定年後の仕事で女性に人気のある仕事
女性に人気がある、また定年後に再就職した仕事の種類で多いものは以下のとおりです。
1.ヘルパーなどの介護の仕事
2.スーパーやコンビニ店員
3.クリーニング店の受付
4.清掃業
女性の場合は、コンビニやクリーニング店の受付、ファストード店の店員などが人気です。
コンビニやファストフード店では研修などがしっかりしていて、自宅の近くにあることが多いことも人気の理由になっています。
定年後に仕事をするためにおすすめの資格とは?
定年後を見据えて資格を取得する場合、定年後の仕事を確保しやすくすることを目的に資格を取得するのではなく、今の仕事に役立てるために資格を取得しておくという考え方がおすすめです。
なぜなら、資格だけがあっても再就職に有利になるわけではないからです。
資格と実務経験があることで、再就職に有利になるのです。
再就職で役立つといわれている資格には以下のようなものがあります。
1.ファイナンシャルプランナー(FP)
2.社会保険労務士
3.マンション管理士
4.宅建建物取引主任者
5.電気主任技術者
6.社会福祉士
7.行政書士
8.危険物取扱者資格
ただし、資格だけの人と実務経験だけの人が求人に申し込んだ場合、実務経験がある人が採用される可能性が高いです。
定年後の仕事の年収はどれくらいになるの?
定年後も仕事を継続した場合、年収はどれくらいになるか気になりますね。
60歳前半の男性の場合、定年後は定年前の約4割になったという人データがあります。
また継続雇用で仕事を続けている人は、定年後仕事を続けている人の4割だそうです。
定年後の年収は半分以下になってしまう人が多いようですね。
定年後も仕事を続けるために準備することとは
定年後、すぐに仕事を確保できるのは、再雇用制度や継続雇用制度を利用することです。
定年退職間際になって慌てないように、勤務先の再雇用制度や継続雇用について確認しておきましょう。
再就職を希望する場合は、どんな仕事をしたいのか、どんなスタイルで働きたいのかをイメージしておくことが大切です。
今の仕事と同等な仕事を希望する場合は、退職前に必要な資格を取得や、複数の転職エージェントへの登録などの準備をしておくことをおすすめします。
また、転職サイトやハローワークなどの求人情報をこまめにチェックして、今現在どんな求人があるのか、採用条件などを事前にリサーチしておくことも大切です。
退職後から求職活動を始めたのでは、仕事が決まるまでに時間がかかります。
退職前から求職活動の準備を始めておきましょう。
定年後の仕事がないときにできることとは
もし、定年後にすぐに仕事が見つけられなかった場合、どんなことができるのでしょうか。
知人に声をかける
なかなか仕事が見つからなかった場合は、知人に仕事を探していると声をかけておきましょう。
知人が勤務している会社で求人があった場合や、人を探している場合は、声をかけてもらえるかもしれません。
募集をかける前に連絡がもらえれば、採用してもらえる確率が上がる可能性もあります。
在宅でできる仕事を探す
面接しても不採用になってしまう、知人に声をかけても紹介してもらえない場合は、在宅でできる仕事を探すというのも1つの方法です。
在宅でできる仕事には、データ入力、ライティング、事務処理、ポスターやチラシなどのデザインなどいろいろな種類があります。
在宅ワークの場合、年齢制限はほとんどありませんので、自分にできる仕事を継続的に見つけることができれば、外で仕事をしているときと同等の収入を得られることもあります。
ただし、在宅ワークは一般的には単価が低い仕事も多いので、単価が低い仕事をする場合は、自分の希望どおりの収入を得るために時間をかけて量をこなす必要があります。
今までの経験を生かして起業する
一般的に定年退職後に仕事をする場合、年齢が高くなると採用のハードルが高くなる傾向があります。
面接までたどり着くことも難しく、書類選考で落とされてしまうことも多々あります。
どうしても再就職が難しい場合は、今までの経験を生かして起業するという方法もあります。
自分で起業するというとハードルが高そうなイメージがありますが、自治体などで起業をサポートしている場合もありますし、起業をサポートしてくれる会社もあります。
起業に関するセミナーなどもいろいろな場所で開催されていますので、セミナーに参加して一度話を聞いてみるだけでも勉強になりますよ。
まとめ
現在、定年制度を採用している会社は多いです。
年金支給年齢の引き上げに伴い、定年の年齢の引き上げが行われた会社もありますが、60歳定年の会社も数多くあります。
定年後の仕事については、定年間際になってあわてて準備しても、すぐに仕事が見つけられないこともあります。
定年後の生活プランについてあらかじめ考えておくと、次の行動を取りやすくなります。
一般的に定年退職後の再就職は厳しい傾向にあります。
現在勤めている会社での再雇用や、継続雇用以外の就職方法を考えている人は、定年退職前に必要な資格を取得したり、転職エージェントに登録しておくなど、早めの行動が再就職を成功させるカギになります。