ひきこもり状態から仕事を探すコツと頼りになる相談先

一度ひきこもると、社会に出て仕事をするにも勇気がいりますよね。
勇気というよりも、恐怖といったほうがいいかもしれません。
それでも、仕事をしたいという気持ちは、周りの人が支えていく必要がありますね。
そこで今回は、ひきこもりから社会復帰するためにできることや、おススメの仕事についてお伝えします。
何から始めたらいいのかわからないという方にとって、この記事が参考になればうれしく思います。
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ひきこもりで仕事が怖い?支援機関に相談して社会復帰しよう!
実は私も人と会うことが苦痛になってしまった経験があります。
いろんなことが重なり精神的に参っていて、人から何かを聞かれるのが苦痛に感じていました。
そして外出する時間が減っていきました。
そのときに思ったのが、ひきこもりは自分に必要な情報も遮断されてしまうということです。
すると浦島太郎のような、周りから取り残されたような気持になって、外に出るのが怖くなってしまうんですね。
なのでまずは情報を集めて、自分を今の時代に合わせるのが、第一歩です。
自分が知らなかった情報を得る手段の1つとして、支援機関に相談するという方法をご紹介します。
各都道府県の精神保健福祉センターに相談してみよう
各都道府県に『精神保健福祉センター』という窓口があります。
場所によっては『こころの健康センター』という名称を使用しているようです。
精神保健福祉センターでは、ひきこもりで外に出られなくなってしまった心の悩みや就業に関する悩みなどの相談にのってもらうことができます。
支援機関に電話をしたり、相談にのってもらうというのはちょっとだけ敷居が高いと思ってしまう人もいるかもしれませんね。
でもそこで働いているのは、ひきこもりでつらい思いをしている人の話をしっかり聞いて、一番いい方法を一緒に探してくれる人たちなんですね。
まずは、自分の状態を理解してくれる人に、不安な気持ちを聞いてもらうってすごく大切だと思います。
私は専門家ではありませんが、外に出られなくてつらい思いをしている人のお話を何度も聞いた経験があります。
緊張がとけてくると、堰(せき)を切ったようにお話をされる方が多かったです。
一人で抱えていて、とてもつらかったんだろうな、ということを想像することができました。
自分の気持ちを分かってくれる人に会えるって、すごくほっとできることなんです。
「私の苦しさをわかってくれる人に出会えた」って思えただけで、楽になることができるんです。
ちょっとだけ勇気を出して、自分の本当の気持ちを誰かに伝えて、一緒に一番いい方法を考えてくれる人を見つけてみることから始めてみませんか。
きっと、相談してよかったって思えると思います。
全国の相談窓口はこちらから確認することができます。
地域若者サポートステーション(サポステ)に相談してみよう
地域若者サポートステーション(サポステ)をご存知ですか?
サポステは、厚生労働省が委託している支援機関です。
働きたいけどうまくいかないという15歳~39歳まで若い人を対象に、仕事が順調にできるようになるまでバックアップすることを目的としています。
長期間ひきこもっていると、人と関わることや仕事をすることに不安になってしまいますよね。
そういう気持ちを理解したうえで、仕事ができるようにバックアップしてもらうことができるんです。
自分に仕事ができるのかな?という不安を抱えたまま、一人で仕事を探すのは大変です。
まずは、仕事に関する自分の悩みや不安を聞いてもらうことから始めてみてください。
地域若者サポートステーションの全国の所在地や内容はこちらで確認することができます。
ひきこもりの人におすすめの仕事は?
長い間、職場から離れていたり、学校を卒業してから働いた経験がない場合は、いきなり仕事を継続して続けるというのは不安になってしまうことも多いと思います。
そこでひきこもりの人が、はじめやすいお仕事をご紹介します。
単発のアルバイトから始めてみる
ずっと同じ職場で働かなければいけないと考えてしまうと、それだけでプレッシャーになってしまうこともありますね。
長期の仕事ではなくて、まずは単発のアルバイトから挑戦してみましょう。
単発の仕事であれば短期間で終わるので、合わなかったとしても少し気持ちが楽ですね。
またお給料をもらうことで、働いたという実感をえることができ、それが自信につながりますよ。
勤務時間が短い仕事を選んでみる
しばらく仕事の経験がなかった人に、8時間労働は長くて大変です。
まずは、勤務時間の短い仕事を選んで、少しずつ慣れるようにするのもおすすめの方法です。
習い事などでも、おためし入会といった制度がありますよね。
おためし入会ならぬ、おためし仕事のつもりで、まずは勤務時間の短い仕事から挑戦してみましょう。
勤務時間が短い仕事であれば、気が付いたら終わっていたというところからスタートすることが可能です。
そこから、少しずつ長い勤務時間の仕事にも挑戦してみましょう。
意外と簡単に長い時間の仕事もできるようになると思います。
自分が興味のある分野で働いてみる
嫌なことは、誰もが苦痛に感じます。
自分の興味のある分野だったり、自分の好きなものなら、楽しく仕事ができますね。
自分の好きなことや得意なことを生かせる仕事からスタートするのも、仕事に対する不安や恐怖を少なくしてくれます。
私も長いブランクから仕事に復帰したときは、仕事を続けられるのか不安でいっぱいでした。
でも人にパソコンを教えることが好きだったことを生かして、パソコン教室のインストラクターという仕事を選びました。
できなかったことができるようになったときの生徒さんの笑顔に癒されて、毎日楽しく仕事をすることができました。
在宅でできる仕事を探してみる
人と会うのが苦痛な場合、会社に出勤するということ自体がつらいですね。
そんな場合は、まずは自宅でできる仕事から挑戦してみましょう。
仕事の指示は、基本的にチャットなどのツールで行うので、直接話をせずに仕事をすることも可能です。
私も今は在宅ワーカーをしていますが、文字のみのやり取りで仕事ができています。
私がやっている在宅ワークについて、紹介しますね。
データ入力
私が最初に在宅ワークで経験した仕事は、データ入力の仕事です。
単価が安いのが難点ですが、指示通りにデータを入力すればいいだけなので苦痛に感じずに仕事をすることができました。
案件によって難易度が大きく変わるので、比較的簡単なものを選択しましょう。
ライター
ライターは、私が今、主として自宅でやっている仕事です。
ライターというと、人に読んでもらえる文章なんて自分に書けるんだろうか?と不安になってしまう人もいると思います。
私も最初は、自分には絶対無理だと思っていました。
実際に最初の頃の私の文章は、かなりひどかったと思います。
クライアントさんによって対応が異なりますが、書いた文章を丁寧に添削してもらうことも可能ですし、修正の仕方なども詳しく教えてもらうこともできます。
少しずつコツがつかめてきます。
納期がきっちりしているケースもありますが、自分のペースで書けるときに書いてくださいという形で仕事を受けることも可能です。
最初は文字数の少ないもの、自分のペースで書くことが可能なものから挑戦してみてください。
【女性向け】家族で経営している小さいコミニュテイの仕事を選ぶ
パソコンはあんまり得意じゃないし…
でもあんまり人と関わらないで仕事がしたい…
という人は、家族で経営しているコミュニティが小さい仕事から始めてみるというのもおすすめです。
パン屋さん
個人経営のパン屋さんの場合、家族で経営していることが多く、アットホームなお店が多いです。
温かい雰囲気の中で仕事をすれば、仕事も楽しくできるんじゃないかなと思います。
クリーニング屋さん
クリーニング屋さんの受付の場合、頻繁にお客さんが来るわけではないので、比較的1人の時間が多いというのがおすすめポイントです。
自分のペースで仕事をすることができますし、必要以上に人に気をつかわなくていいので、少しずつ仕事に慣れたい人に向いている仕事といえます。
喫茶店
個人経営の喫茶店は、お店があまり大きくないことが多いですね。
お客様の人数も限られので、会話も最小限ですみます。
常連さんがいることも多いので、顔見知りのお客さんができるようになると、楽しくお仕事ができるようになるかもしれませんね。
仕事を始めることに不安がある人にとって、比較的ハードルが低い仕事の1つです。
中年がひきこもりから仕事を始めるのは厳しい。どうする?
中年になってから、ひきこもりをやめて働こうとする場合、正直なお話をすると仕事を始めるのは厳しいと言わざるをえません。
なぜなら、『コミュニケーション能力に問題がある』ということに加え、『年齢的なリスクがあるということ』と思われてしまうことが多いためです。
40歳を過ぎてしまうと一般的に求人の数がかなり減ってしまいます。
年齢によるハンデがあまりない仕事から始めてみることがおすすめです。
確実にできることから始めてみましょう
年齢が高くなればなるほど仕事を見つけにくいのが現実ですが、まったくないということでもありません。
特にサービス業の場合、夜間の労働者を確保するのが難しく、その枠なら比較的ハードルが低いです。
中年になってひきこもりになってしまった人におすすめできるのが、以下のような仕事です。
・深夜のコンビニのアルバイト
・新聞配達
・単発のアルバイト
・在宅ワーク
時間帯を考えると少し大変なものが多いです。
ですが逆に、深夜や早朝の時間帯はお客さんも少ないですし、新聞配達などは、ほとんど人と接することがなく仕事をすることができます。
在宅ワークに挑戦するメリットは、年齢制限がないことです。
ひきこもりの延長ともとらえかねませんが、働いて税金を納めているなら、誰も文句をいえません。
自分の望みどおりの仕事を見つけることは難しいかもしれません。
そんなときは、まずは確実にできることから挑戦してみてください。
1つでも仕事が決まれば、気持ちが楽になれますよ。
ひきこもりから脱出して仕事を始めるポイント
ひきこもりから脱出して仕事を始めるポイントは、「あせらない」こと、「自分で自分を追い込まない」ことが大切です。
自分が無理をせずにできる仕事から始めてみましょう
マラソンは、最初から飛ばしてしまうと、最後は疲れてばててしまいます。
仕事も同じです。
最初から、完璧にやろうとしてしまうと息切れをしてしまうんですね。
まずは、準備運動のつもりで自分が無理をせずできる仕事から始めてみましょう。
最初はリハビリを兼ねて短時間の仕事を探してみましょう
人と会うことがなかった人が人と会うことは、とても大変なことです。
つまり、外に出ることだけでもすごいことなんですね。
外に出たいわけじゃなくて仕事がしたいんだと思っている人は、ついあせってしまう気持ちもわかります。
でも、最初から頑張りすぎてしまうと、自分で自分を追い込んでしまいます。
最初は、リハビリだと思って短時間の仕事を探してみましょう。
短時間の仕事に慣れたら、「少しずつ時間の長い仕事に挑戦してみる」、「仕事に行く日数を増やしてみる」といったように、様子を見ながら進めてみてください。
『急がばまわれ』ということわざがあります。
一見、遠回りに見える行動は、実はそれが一番近道になるということを思い出してみてくださいね。
対人恐怖症の人は在宅でできる仕事から始めてみましょう
人によって心に深い傷を負ってしまった人は、人と会うことが怖くなってしまい、対人恐怖症になってしまうケースがあります。
それでも、なんとか仕事をしたいと思っている場合は、まずは在宅でできる仕事から挑戦してみてください。
在宅ワークの場合は、電話などで直接話をすることもなく、文字だけのやり取りのみで仕事をすることも可能です。
対人恐怖症の人の場合は、人と会わずにできる仕事から始めることをおすすめします。
生活困窮者自立支援制度を利用しよう
生活困窮者自立支援制度(せいかつこんきゅうしゃ じりつしえんせいど)というものがあるのをご存知ですか?
これは生活困窮者自立支援法という、生活困窮者を守るための法律をもとに実施されている制度のことをいいます。
仕事はしたい、でも仕事をすることが難しいという場合は、無理をせずにこのような支援の助けを借りることも大切です。
生活困窮者自立支援制度で受けられる内容とは
生活困窮者自立支援制度では、以下のようなサポートを受けることができます。
・自立相談支援
・住居確保給付金の支給
・就労準備支援
・家計相談支援
・就労訓練
住むところがない場合は、衣食住の支援を受けることも可能です。
家賃などの補助を受けたり、仕事をするための就労訓練を受けることもできます。
仕事ができず、生活に不安を抱えている場合は、まずは近くの自立相談支援機関窓口に相談してみてください。
厚生労働省 自立相談支援機関窓口一覧:https://www.mhlw.go.jp/content/000428984.pdf
まとめ
ひきこもりから脱却したい、仕事をしたいと。
そう思うこと、そのこと自体が、すでにひきこもりから卒業する一歩を踏み出していることに、ほかなりません。
その気持ちになれたことは、本当にすごいことなんです。
ひきこもりの状態から仕事を始めることは、不安もあると思いますし、怖いと思います。
だからこそ、最初から無理をしないことがとても大切です。
自立した生活を送るために支援している窓口をいくつかご紹介しましたが、まずは近くの相談窓口に相談することから始めてみてください。
あなたの状況や、心の不安を理解した人から、適切なアドバイスをもらうことができます。
自立するためには、周りのサポートが必要不可欠です。
1人で悩まず周りの人の助けを借りながら、仕事ができるようにゆっくりチャレンジしてみてくださいね。