元採用担当者が教える面接17の質問集と回答例

「面接でどんなことを聞かれるんだろう?」
「どこまで正直に答えてもいいんだろう?」
もし答えられなかったり、変な回答をして不採用になったら…
面接が決まると、とても不安になりますよね。
その不安を解消するには、想定される質問にたいして、あらかじめ答えを用意しておくしかありません。
ですが
- どんな質問をされるのか?
- どんな回答をすればいいのか?
ということは、自分で考えてもわからないものです。
そこで元採用担当者だった私トモが、実際に面接をしていた当時を振り返り、次のことについてお答えします!
- 面接ではこんな質問をされる
- どうしてそんな質問をするのか?
- どんな答えをした人を採用したいと思うのか?
具体的には、パート面接で聞かれる代表的な質問の回答例とNG回答について例文付きで紹介します。
もちろん採用担当者が、すべて同じ質問や同じ考えをしているとは限りません。
ですが管理者としての立場や、会社の利益を考えた場合、同じような気持ちになるのではないかと思います。
面接の事前準備として、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
パート面接でよく聞かれる17の質問と回答例
では早速ですが、パート面接でよくされる17の質問と回答例をご紹介しますね。
その前に、面接の質問に答えるときに1つだけ注意してほしい点があります。
模範回答例そのままの文面で、答えない
面接担当者は、数多くの応募者を面接しています。
インターネットで調べた回答例をそのまま答えてしまいますと、
『何かで調べた内容をそっくりそのまま回答しているな』
『今言ったのは自分の意見ではないな』
ということがわかってしまうんです。
ですので、ここでご紹介する回答例をあくまで参考にして、あなたの言葉で回答してくださいね。
それでは、面接の質問&回答集を始めます。
面接質問集1:志望理由
子どもが小学校に上がったことで前よりも時間に余裕ができたことに加えて、子どもに必要な教育費が少しずつ増えてきましたので、子どもの将来の進学などに備えて仕事を始めたいと考えていました。
接客業での仕事を探していましたところ、御社の求人を知り応募させていただきました。
それを志望理由にするのは、問題ありません。
逆に、
「経済的に困っていません」
と言われると、人情的には
「じゃあ、こちらの経済的に困っている人を採用しようかな」
という気持ちになりやすいですからね。
しかし、この質問では以前から働きたいという気持ちがあったことをアピ―ルすることがポイントです。
採用側としては
「ここで働きたい!!」
という熱意があるかっていうことを知りたいんですね。
ですので、たとえば、
「御社のホームぺ―ジの○○という言葉を見て、ぜひ、こちらで働きたいと思いました」
なんていう言葉を聞くと、
「そうなのね。やる気があるのね。」
って素直に思います。
※相手の会社のことを敬語にする場合、『貴社』と『御社』という言葉があります。
「貴社」は履歴書など書き言葉として使うときに使用します。
「御社」は、面接など話し言葉のときに使用します。
面接なのでこの場合は『御社』が正しいってことですね。
面接質問集2:退職理由
これから高齢者の人数はますます増えると思いますので、介護という世界で人の役に立つ仕事に挑戦したいと考えまして転職することを決断しました。
たとえば
- 人間関係が嫌になった
- 経済的に合わない・給与が少ない
- 思っていた内容と実際の業務に違いがあった
などです。
この質問の意図は、「また同じ理由で辞めてしまわないか?」という懸念があることが多いです。
そのため、たとえば仕事が合わなくて辞めた場合でも、
「別のことに興味が出てきたので、その仕事を経験したいと思いました」
というように前向きな回答をすることが大切です。
また、子どもが小さいという理由などで退職した場合は、そのことを正直に伝えるのはOKです。
この場合志望理由として、
「子どもが大きくなったので社会復帰したいと思った」
と伝えるようにするといいですね。
今は問題がないということがわかれば、不採用の理由にはなりません。
くれぐれも前の職場の悪口になってしまう内容を答えるのはNGです。
前の職場ではなく、会社という組織についての悪口に聞こえてしまいますからね。
面接質問集3:前職の仕事内容
コンビニでは、店内清掃、レジ、品出し、陳列などを行っていました。
ただし、この質問に対しては、あまり深く考えすぎなくて大丈夫です。
前の職場で、あなたが担当した実際の業務内容を、面接官がわかるように答えるといいですよ。
面接質問集4:長所
新しいことも躊躇せずに挑戦することができます。
仮にうまくいかないことがあったとしても、なぜうまくいかなかったのかを考え、次に生かすことができるところは仕事をする上でも役に立っていると思います。
例文のように
『この長所のおこがで、仕事の面でこんなことに役に立ちましたと』
というエピソードが入れられるとなおGOODです。
面接質問集5:短所
仕事面では集中につながることもあるのですが、他の部分の注意がおろそかになってしまうことがあるので、その点が今後改善しなければいけない課題だと考えています。
そして、
- 1.自分の欠点を自分で理解している
- 2.それについて克服しようとしているの
という2点を伝えることが大切なんですね。
つまり、直そうと努力しているかという点が大切だということです。
この質問から、あなたが問題解決能力があるかどうか、という判断をしている面接官もいるそうですよ。
面接質問集6:子供や介護が必要な家族
今回募集していた時間帯が14時までの勤務ということでしたので、平日は特に問題がないと考えています。
長い休みのときは、近くに実家の母親が住んでしますので、協力してもらえることになっています。
介護が必要な家族はおりません。
この質問の意図は、ズバリ!
「突然休んだりしないよね?」
という確認のためです。
私が面接をしていた会社では、シフト制での勤務だったので、突然のおやすみに対応するのが難しかったんですね。
ですので、できれば急に休みそうな人は、採用を避けたいのが本音でした。
介護も同様です。
この質問は、『子どもがやすみのときはどうするの?』という疑問からでてきた、質問でもあります。
子どもが休みのときの対策を答えてもらえると、面接官は安心できますよ。
面接質問集7:子供の病気
その場合は、母に子どもを預けたら会社に戻ることは可能です。
ここでのポイントは、もし子どもが病気になったときどう対応するのか。
「子どもが病気なんだから休むのは当然の権利だよね」
と思われていたら困る。
という観点で質問をしています。
この質問の答えでは、
- 採用されたいために嘘をつかない
- 万が一学校から呼び出しがあった場合は、相談させてほしい
- 用事が済んだら会社に戻ることができる
ということが大切です。
面接質問集8:残業
具体的には、終業後1時間程度であれば対応可能です。
ですが、なるべく残業にならないよう仕事ができるように努力したいと考えています。
主婦の本音をいえば、できれば残業はしたくないですよね。
しかし、外で働くということは緊急事態がおきたときや、想定外のことが起こった場合、会社としては残業をお願いしたいことがあります。そういう意味では、他の人も同じ条件でお仕事をしているわけですし、早く帰りたいのは誰もが同じです。
もしかしたら残業になる可能性もあるかも?ということは、覚悟して応募する必要があります。
それを踏まえた上で、最長でどれくらいなら対応できるのか。
でも、できる限り残業にならないように努力したいと考えている。
ということを伝えることで、面接官は、基本的には残業は厳しいけど、万が一のときは1時間程度であれば対応してもらえるんだな?と判断することができます。
もちろん、採用してもらうために嘘をつくのはよくありません。
しかし検討するという部分が一切なく、絶対にできない!!と断言してしまうのは避けるようにしてくださいね。
面接質問集9:土日や祝日の出勤
ですが、土日や祝日は、1日子どもが在宅しておりますので、出勤の予定がわかりました時点で早めにご相談いただければありがたく思います。
この質問は、『どうしても手が足りないときは協力してもらえるかどうか』という点を確認するための質問です。
残業と同様で採用してもらいために、絶対できないのにできるという嘘はだめです。
ですが、採用側としては会社の都合を優先してくれる人を採用したいというのが本音です。
面接質問集10:仕事の内容の理解
今まで同様の経験がありませんので、教えていただく形になりますので、ご迷惑をおかけすることもあると思います。
ですが、○○については大変興味がありますので、業務に必要なことは積極的に学ばせていただきながら、ぜひ挑戦させていただきたいと考えています。
この質問の意図は、「こんな仕事だと思わなかった」とすぐに辞めないかの確認です
ですので、
「本当に興味があってぜひ挑戦したいので、最初はわからないから迷惑をかけてしまうと思いますが、勉強させていただきながら頑張りたいです!」
ということをいってもらえると、面接官は安心します。
面接質問集11:家族の理解
子どもに関しましては、私の両親が協力するといってくれていますし、主人も仕事をするのであれば協力するといってくれています。
この質問の意図は、「せっかく採用したのに、家族に反対されてすぐに辞めないか?」という確認です。
仕事に応募する前に家族に相談しておくと、具体的な協力の内容を答えられて、より信ぴょう性が増します。
採用が決まってから反対されることがないように、事前に相談しておくことは大切ですよ。
面接質問集12:ブランク期間
しかし、もう一度○○の仕事に就きたいという気持ちがとても大きいですし、子どものPTAの役員をやっておりましたので、書類を作成したりしていましたし、他の役員さんに仕事をお願いし、やっていただくということをしておりました。
仕事には直結していませんが、他の人とのコミュニケーションを取る機会や、指示を出すという作業の機会を持つことができていました。
わからないことについては、教えていただくこともたくさんあるかと思いますが、ぜひ挑戦させていただければと思います。
出産や育児などで会社を辞めた場合、再就職までに長いブランクになってしまいます。
この質問は、『ちゃんと仕事できるの?』という疑いの気持ちが大きいです。
ですが、わからないことは教えてほしい、ぜひ挑戦したいという熱意があれば、採用しようかな?と思ってもらえる可能性が高くなります。
面接質問集13:勤務可能な時間・日数
この質問は特に裏の意図はありません。
そのままの意味ですね。
しかし採用する側とすれば、答えてもらった事は必ずできると判断します。
もし、できない時間や曜日をできるといってしまうと…
採用側はシフトなどの調整が難しくなり、とても困ります。
応募者側は、無理して勤務するしかなく、とてもつらくなってしまいます。
採用して欲しいという気持ちから、勤務時間を長めに答えないようにしてくださいね。
面接質問集14:会社への貢献
今は、業務上パソコンの使用は不可欠だと思っていますので、パソコンを使う作業につきましては、すぐにお役に立てるのではないかと考えています。
これってけっこう難しい質問ですね。
これは私が実際に面接で受けた質問です。
この回答については、実際にあなたの仕事の経験が、面接を受けようとしている会社のどんな部分で生かせるか?ということを考えて答えることになります。
例文として、パソコンを例にしましたが、これ以外でも接客業であれば、
『人と話すことが好きなので、コミュニケーション力を生かして、お客様に喜ばれる接客をめざせると考えている』
とか、
『整理整頓が得意なので、職場の環境を整え、仕事の効率化につなげられるのではないか』
なども考えられます。
この質問に答えるポイントは、まず相手の会社が何をやっているのかを知ることです。
ホームページなどがあれば、会社の業務内容や企業理念などをリサーチしておきましょう。
面接質問集15:複数社で面接
<その会社から採用の連絡があった場合、どのようにしたいと考えていますかなどの質問を受けた場合>
この質問の意図は、『自分の会社で採用されたいと思っているのか』についての確認です。
採用側からの立場でいうと、採用後に断られてしまうと、また別の採用者を探す必要があるんですね。
ただほとんど人は、「こちらで働きたい」と答えます。
だからそれだけでは、今一つ信用できない気持ちがあるんです。
そのため「御社の○○の仕事に大変興味がある」などの、どの点が他社よりもいいのかを具体的にいうことで、信用度を少し上げることができます。
面接質問集16:出勤開始日
この質問は、出勤可能日の確認だけで、特に意図はありません。
いつから働けるかという日にちを回答すればOKです。
面接質問集17:何か質問はありますか
可能な場合、駐車場はどのようにしたらよいでしょうか?
ここでは採用された場合、気になることがあれば質問をします。
たとえば『通勤手段』ですとか、『入社までに勉強しておいたほうがいいことがあるか』などです。
ただし私の個人的な考え方ですが、『何もありません』という回答はあまりおすすめできません。
実際に私が面接していたときも『特にありません』とか『何もありません』と答えた方はけっこういました。
言いたいことがいえない人かな?
そう思ってしまうんです。
もし本当に何もない場合は、
『わかりやすい説明をいただいたので特に質問はありません。面接でのお話やお仕事をしている方の姿を拝見させていただき、ぜひこちらで働きたいという気持ちが強くなりました。本日はお時間をいただきましてありがとうございました』
のように入社意欲を示す言葉を伝えることをおすすめします。
パート面接で特に気をつけたいNGワード
パート面接で特に気をつけたいNGポイントやNGワードというものがあります。
これまで紹介してきた、質問集を自分の言葉に置き換えるときに、NGとなるワードを使ってしまうと、面接官からの印象が悪くなってしまいます。
そこでそんなことがNGなのか、いくつか紹介します。
前の会社の悪口
前職の退職理由を聞かれたときに、つい答えてしまう可能性があるのが前の会社の悪口です。
たとえば、つぎの理由は悪口ではありません。
ですがパートは加入できないと入社後知りました。
そのため退職しました。
社会保険に入れなかったのは客観的に事実だとわかるので、悪口にはなりません。
また入社したい理由にもなります。
ですが、次のような理由は悪口です。
前の会社の上司の悪口ですね。
実際に無理要求だったのかは、面接が側で判断できません。
そのため、
「少しのことでもムリな要求だと感じるのでは?」
という疑いをもってしまいます。
たとえそれが事実であったとしても、悪口はいわないようにしましょう。
拒否と受け取れる答え方をしてしまう
質問に対して、『できません』と即答されると面接官は、あなたのことを扱いにくい人間だと判断します。
何かお願いをしても、すぐに拒否されるのではないかと思ってしまうんですね。
ですので、次のように答えるようにしてみてください。
○○なので難しい時もあるかもしれませんが、できるだけ対応したいと思います。
もし難しい時は相談させてください。
- 協力をしたいと考えている
- 自分の状況から難しいときもある/li>
- こうしてもらえれば助かります
といった回答をするようにしましょう。
『できません』と即答するのはNGですよ。
前職の仕事内容の説明で専門用語を使う
長い間おなじ職場で働いていると、専門的な用語が、誰でも知っている一般的な言葉のような気がしてくるものです。
ですがその用語を面接で使うのはNGです。
意味のわからない言葉で説明をされても相手には伝わりません。
答えていないのと同じことになってしまうんですね。
面接官には、
「何だかよく分からない事いってたな」
「人に伝える能力が低そうだな」
で思われてしまいますよ。
何かを説明するときは、誰でもわかる言葉に直して説明するようにしましょう。
自分の都合だけを要求してしまう
子どもがいるので残業はできませんとか、土日は絶対できませんとか伝えてしまうのもNGです。
これは一方的に要求ですが、言っている方はそのことに気がついていないことが多いですね。
会社は、個人ではなく大勢の人が働いています。
そのため採用する側としては、自分のできる範囲で協力したいといってくれる人を採用したいと思っています。
言葉の最後に『~と思います』を連発する
『~と思います』も意識していないと、面接でよくやってしまうNGです。
思いますという言葉は、意思としては印象があいまいなんですね。
たとえば、次のような質問をされたとします。
今回募集した仕事の内容は○○なんですか、やれそうですか?
そして次のような回答をもらったとします。
やったことがないのでわからないのですが、教えていただければたぶんやれると思います
この仕事に関しては未経験なのでわからないこともありますが、教えていただきながら習得していきたいと考えています
この2人の回答をみてあなたなら、どちらの人を採用したいと思いますか?
おそらくBさんを選ぶと思います。
『思います』と『考えています』を使い分けるポイントは、相手の意見も必要か、自分の意見だけで決められるかによって使い分けてみてください。
相手に決定権があり、それによって自分の行動が変わるときは『思います』を使っても問題ありません。
でも、相手の意思とは関係なく自分の考えを話すときは、『~です』や『~だと考えています』と答えると、自分の意思をはっきり相手に伝えることができます。
『~だと思います』という口ぐせのある人ってけっこう多いので、ちょっと意識してみてくださいね。
まとめ
私が過去に自分が面接を受けたときの経験や、実際に面接官の立場でたくさんの応募者の方を見てきた経験から、面接で想定される質問と回答例をご紹介してきました。
残念ながら自分が面接を受ける会社でどんな質問をされるのかということは、事前に知ることはできません。
でも、想定される質問事項を調べて、回答例を見たり、どんなことを意図して質問されているのかということがわかれば、何を答えたらいいのかとか、どんな回答をすればいいのかということがなんとなくわかってきます。
応募者は自分が採用されたい!!という思いで面接を受けています。
面接する側は、できるだけ会社の希望にあった人を採用したいという思いで面接をしています。
自分の希望を伝えつつ、採用側の希望にも配慮した受け答えが必要なんです。
ぜひ、この記事を参考にして面接官にいい印象を与えてみてくださいね。
また、面接は履歴書も大事です。
履歴書に書いた内容から、質問をされることもあります。
こちらの記事で、履歴書の書き方を紹介しているので参考にしてくださいね。
■パート主婦の履歴書の書き方(例文付き)