セクハラを職場で受けたときの9つの対処法
「同僚からのスキンシップが激しいんだけどこれってセクハラかな?」
「上司にしつこく食事に誘われてるけどこれも?」
セクハラやモラハラ、パワハラなどのハラスメント被害が最近よく報道されていますが、その線引きってなかなか難しいですよね。
「ちょっとしたことで騒いでいると思われたくない!」
「声を出しても会社にもみ消されるんじゃ」
実際に会社でいやな経験をしても、上司や会社と戦って退職するくらいならセクハラを我慢した方が良いと思っている女性も多いのではないのでしょうか。
私も学生のアルバイト時代や社会人時代に「ん?コレってセクハラじゃ…」なんて思っても、実際に声に出して批判することはありませんでした。
あの頃は若くて何も言えなかったけど、今なら徹底的に戦ってやる!
そんな悔しい気持ちも込めて、
今回は、
- セクハラは罪に問えるのか
- セクハラの線引き
- セクハラ対策9選
についてまとめてみました。
職場での憎きセクハラ対策の参考にしていただければと思います!
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セクハラは会社に責任があるの?罪に問えるの?
職場での性的な冗談や軽いボディタッチなど、上司は何とも思っていなくても女性側からすると不快以外の何者でもありませんよね。
非難しても軽く流されたり、「自意識過剰だ」なんて言われたらたまったもんじゃありません。
そんなセクハラ行為!
実際のところ罪に問えるのでしょうか!?
そして、そんなセクハラを容認している会社には何の責任もないのでしょうか。
徹底的に調べてみました!
セクハラ罪という犯罪はないが、慰謝料請求が可能!
調べてみると、残念ながらセクハラ行為自体を取り締まる法律はありません。
ですが、その行為の度合いによっては法律で裁くことができる犯罪行為に値します。
セクハラで罪に問われる犯罪名と行為
●公然わいせつ罪
飲み会などの公の場で身体に触ってくる。
●強制わいせつ罪、強要罪
酔った女性の体に触ったり、無理矢理服を脱がせてくる。
オフィスなどで胸やお尻を触る。
無理矢理抱きついたりキスしてくる。
●準強制性交等罪
泥酔している部下をホテルなどに連れ込み、性交渉を行う。
●迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反
トイレや更衣室に隠しカメラを仕掛ける。
●名誉毀損罪及び侮辱罪
大勢の人の前で性的な質問をしたりわいせつな発言をする。
●傷害罪
押し倒した際に怪我をさせる。
日常的なセクハラによりPTSDを発症させる。
これらの行為をうけた場合、被害届を出せば刑事事件として扱われる可能性があります。
しかし、直接触れてこなかったり、性的な発言のみだった場合、これらの罪に問われるかは微妙なラインですよね。
もしも刑事事件として取り扱われなくても、民事法には触れているので弁護士を通して損害賠償請求を行うことで相手に責任を負わせることが可能となります。
セクハラによる損害賠償額は年々高くなっており、セクハラが原因でPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを患い退職を余儀なくされてしまった女性の裁判では、異例の1000万円近い損害賠償が言い渡されたケースもあります。
現在の法律ではセクハラ行為のみを取り締まる法律がないのは残念ですが、慰謝料請求などでしっかりと責任を負わせたいですね。
セクハラを容認している会社も責任を問われる可能性!
男女雇用機会均等法により、事業主には
- セクハラの防止・周知・啓発
- 相談を受けた際の適切な対応整備
- 職場のセクハラに関わる事後の迅速な対応
などが義務付けられています!
法律で義務付けられている以上、それを無視してセクハラを容認している場合、セクハラ加害者同様、損害賠償請求できる可能性があります。
これまでにも、セクハラ上司と会社を一緒に訴えた被害者女性は多く、その度にセクハラへの理解度はますます上がるばかりです。
セクハラが禁止されるのは会社の中だけ?意外と知らない「職場」の線引き
アナタの職場にも、お酒を飲んで気が大きくなる同僚や上司っていませんか?
お酒の場で少々羽目を外してしまうのは誰にでもあること。
それでも「酔い」がセクハラをして良い理由にはなりません。
プライベートでの会社の飲み会や、移動中にセクハラを受けてしまった場合、これも会社でのセクハラとみなされるのか不安ですよね。
とくに会社とセクハラ加害者を同時に訴える場合、会社に責任があるのかないのかは『どこでどのようにセクハラが行われたのか』がとても重要となります。
さらに就労時間外の宴会の場合でも、その参加が強制か任意かによって職務の延長と判断される可能性もあります。
給料が発生していなくても、強制参加の飲み会は職務中と判断されるんですね。
それを知っているだけでも、お酒を飲んで迂闊なことをする上司は激減するかもしれませんね!
全ての会社にはぜひそれを文書化して、会社の至る所に貼っておいて欲しいものです!
ただし飲み会中のセクハラであっても、その飲み会の参加が任意か任意でないかで会社の責任度合いも変わってきます。
例えば、
会社の同僚とのプライベートな飲み会で、参加不参加も自由。
そんな飲み会の最中に同僚男性に身体を触られた場合。
会社に責任は無く、同僚個人の問題とみなされてしまいます。
次に、
会社の親睦を深めるための社員旅行で全員強制参加。
宴会時に重役のとなりに座るよう強要されお酌させられた。
この場合は社員旅行での宴会も強制参加となるので、セクハラがあった場合には会社への責任追及が可能です。
どんな行為がセクハラにあたるの?セクハラの線引き!
それでは実際にどのような行為が、セクハラと認定されてしまうのでしょうか。
厚生労働省の定義によると、職場でのセクハラは2つに分けることができます。
立場や権力を駆使して逆らったら、減給や降格などと不当な対応を脅しに使う「対価型セクシャルハラスメント」と、性的な言動により、労働者の就業環境を不快なものとする「環境型セクシャルハラスメント」です。
それぞれの例を見てみましょう。
対価型セクシャルハラスメント例
対価型セクシャルハラスメントの場合、同僚よりも権力を行使できる上司や顧客、取引先などから被害を受けることが多いです。
具体的な例としては、
- 仕事中、上司が性的な質問や発言を繰り返していたので非難したら、翌日から不当な配置換えをされた。
- 出張中、しつこく食事に誘われ断ったら社内評価を下げられた。
- 職場で身体に触れてきた上司に抵抗したら「クビにするぞ」と脅された。
などが上げられます。
上司や社長からこのような行為をされてしまっては、黙ってしまう女性も少なからずいるのではないでしょうか。
実際に直接触ってこなくても、職権を乱用して誘ってくること自体がセクハラです。
絶対に許せない行為ですね。
環境型セクシャルハラスメント例
性的な言動によって、職場の雰囲気を悪くし労働者の働く意欲を削いでしまうのが環境型セクシャルハラスメント。
具体例としては
- 職場に性的なポスターや雑誌が置いてあり、苦痛に感じる。
- 上司からの日常的な性的な言動により、労働意欲が低下する。
- 同僚に性的な噂話を流されて、職場での仕事が手につかなくなる。
これらの行為も全てセクハラです。
職場の労働者が全て同性であっても、苦痛に感じている場合はセクハラと認められるため、男性が男性上司を訴えることも可能なのです。
こういった行為が日常的に行われている会社には、誰でも出勤したくなくなってしまいますよね。
私の職場がそうだったらと考えると絶対に嫌ですし、職場からセクハラを根絶するために戦うよりは転職を考えてしまうかもしれません。
セクハラ対策1!セクハラの上手なかわし方
それでは職場でのセクハラ被害には、実際にどのような対応をすれば良いのでしょうか。
まずは、職場とも上司とも険悪にならずに対処できるのが1番良いですよね。
セクハラの上手なかわし方を試してみてください。
尊敬してたのに残念です!と悲しむ!
職場や飲みの席での性的な質問や身体を触ろうとする上司がいたら
「え、◯◯さんがそんなことするんですか?尊敬していたのに残念です」
と言い放ってみましょう。
少しでも善良な心が残っている上司なら、この言葉で正気に戻るはずです。
お酒で気が大きくなっていたり、一瞬魔がさした瞬間のセクハラ行為や発言であれば、「尊敬していたのに!」の言葉に「ハッ」とするはずです。
そんな後輩からの尊敬の念に対し、下衆な対応をし続ける上司であれば、次の対応に進んでください。
嘘も方便!親戚に弁護士がいると話す!
かわしてもかわしてもしつこくセクハラ発言を繰り返す上司にはこう言ってみるのはどうでしょうか。
「これ以上セクハラ発言を繰り返すなら、親戚のおじさんに弁護士がいるから相談してみようかな~」
「弁護士のおじさんが職場で困ったことがあったらなんでも相談しろよって言ってくれてるんです~」
弁護士と聞いて焦る上司ならまだ間に合います。
少しでも自分が悪いことをしたと思っている人なら、セクハラもやめてくれるはず。
険悪な雰囲気にしないためにも笑って言うのが良いのですが、冗談と受け止められてしまっては効果がないので、笑っているけど目は本気!感を出してください。
冗談っぽく言っているけど、いつでも相談出来るのよ!という雰囲気で言えるように自宅の鏡を見ながら練習するのも良いですね。
学生時代、居酒屋でアルバイトしていた私に教えてあげたい大人な対応です!
あの頃は、スタッフ専用のインカムで男性スタッフの性的なトークに苦笑いしかできなかった私ですが、今なら言える!
「それセクハラですよ!訴えますよ!」
セクハラ記事を読ませる!
普段から何気ない会話をする上司や同僚であれば、この手も効果があるかもしれません。
「この前テレビでやってたんですけど、職場の人に◯◯って発言するのはセクハラみたいですよ〜。△△さんのことじゃないですか。笑」
「この記事に書いてあるんですけど、セクハラ対策は職場の義務みたいですよ。この職場にも相談窓口あるのかな〜」
笑いながら言いつつ、セクハラ記事を調べたことや職場の相談窓口を気にすることで上司に「これ以上言うとマズイ」と思わせてください。
ポイントは「ここまで行動にでてるぞ!あと一歩だぞ!」という危機感を持たせることです。
あえてセクハラに関する記事をプリントアウトしたり、別の同僚や上司にセクハラ相談窓口を確認しに行くのも良いでしょう。
笑って流せない冗談は無表情!
いつも冗談っぽくセクハラ発言をする上司には、無表情が1番効くかもしれません。
普段は笑って会話をしているのに、セクハラ発言をした時だけサッと無表情にして仕事に戻るのです。
「あれ?今日機嫌悪いのかな」
と思われないように、セクハラ発言以外はふつうに会話することをオススメします。
「あ、この子にはこれ以上言うとダメなんだな」と学習させるのです。
セクハラ対策2!しつこいセクハラは徹底的に拒否る!
さて、険悪にならないためにこちらが気を使って冗談で済ませているにもかかわらず、まだセクハラ発言を繰り返すのであれば徹底的に非難してください。
セクハラ上司や同僚は「◯◯さんなら笑って許してくれる」と、舐めてかかっています。
セクハラ行為に上司も部下もありません。
人間として許せない行為には徹底的に挑んで行きましょう。
「それはセクハラです。やめてください!」
何度かわしてもしつこいセクハラ上司には、ハッキリと不快である気持ちを伝えてみてください。
「今までは笑って流していましたが、さすがにひどすぎます。これ以上セクハラ発言を繰り返すなら私も考えますよ。」
「最近本当にひどいですよ。笑えません」
少し笑いながら、でも半分本気感で言えばまだ険悪な空気にはならないかもしれません。
一度釘をさす意味合いで伝えてみてください。
最後の警告です。
「次は上司に相談します!」
それでもまだセクハラ発言を繰り返すのであれば、最終手段です。
「まだセクハラ発言やめないようなので、明日セクハラ相談窓口に相談します。」
「これ以上言うなら、社長に直接苦情を言いに行きます。」
と、「次は行動に起こしちゃうよ!あなたギリギリだよ!」と本気で警告してください。
それでもまだ笑って冗談だと思っているセクハラ上司なら重症です。
アナタの力では改善できないようなので、次の段階に進んでください。
セクハラ対策3!上司や信頼できる同僚に相談
何度注意をしても、上司や同僚からのセクハラがおさまらない場合は職場の信頼できる人に相談するのが良いかもしれません。
相談をする際にも、相手や場所をしっかりと見極めておく必要があるので注意が必要です。
信頼できる人を見極めよう
セクハラ被害を相談する際には、まずは相手を見極める必要があります。
相談する相手は本当に自分の味方となって動いてくれる人物か、会社の立場を優先する人でないかを見極めてください。
相手が親身になってくれないと、ただの愚痴として受け止められてしまう可能性もありますし、最悪社内で問題になる前にもみ消されてしまう可能性もあります。
相談をする相手をよく見極めて、この人なら自分の立場になって考えてくれるなという人を味方につけるようにしてください。
さらに、同じようにセクハラ被害にあっている人を集めて被害団体を結成するのも良いでしょう。
社員一人が声を上げるよりも、数名の女性社員が一斉に立ち上がることで会社も黙っていられなくなりますよね。
今職場で相談できる人は誰だろうと考えてみて、該当する上司の顔が浮かびましたか?
私は2、3人相談できそうな人が浮かびましたが、そのうち2名は男性なのでやはり躊躇してしまうかもしれません。
セクハラ被害の相談はやはり女性相手の方が相談しやすいとは思いますが、しっかりと見極めて相談相手を選ぶ必要がありそうですね。
相談するタイミングを見極めよう
次に、相談をするタイミングを見極めてください。
愚痴まじりに相談したい場合には、飲みの席や雑談スペースでも良いかもしれません。
しかし、本気で今後の対策や上司への処分を考えて欲しい場合には、しっかりと話をするアポイントをとることが大切です。
前もって、
「業務に関して相談したいことがあるので10分〜15分程度お時間をいただけますか」
と、メールか直接確認を取っておいてください。
実際に話をする場所も会議室を取ってもらう方が良いでしょう。
その場で用意したメモを片手に相談することで、アナタの本気度が伝わるはずです。
相談後の流れを決めておく
セクハラの件を別の上司に相談する場合、相談後の流れまでしっかりと考えておく必要があります。
自分の中でもどうしたいのかが定まっていないと、せっかく上司に相談の時間を取ってもらったのに結局苦情を言うだけの時間になってしまいます。
もちろん苦情を伝えるだけでも良いのですが、こちらの要望もしっかりと伝えることが大切です。
■セクハラ被害について
- 上司・同僚の◯◯さんからセクハラを受けている。
- 具体的には「◯◯」という発言を日常的に受けている。
- 何度か真剣に忠告したが現在も続いている。
- セクハラのせいで職務が苦痛。証拠があれば提出する。
■今後について
- セクハラ上司にはセクハラをやめて欲しい。
- セクハラ上司の部署からの配置換えを行なって欲しい。
- しっかりと注意して欲しい。
- セクハラ上司を辞めさせて欲しい。
- セクハラ上司が辞めないなら私が会社を辞める。
- セクハラに対してしっかりとした対処を行わないのであれば、上司と会社に対して損害賠償請求も考えている。
もちろんセクハラ上司に対する対処内容を考えるのは会社ですが、会社がしっかりとした対応をしないのであれば、こちらにも考えがあるという強い意志を伝えてください。
限られた時間でスムーズに話せるようにメモを用意して行くのが良いですね。
セクハラ対策4!証拠集め!
セクハラ上司の外面が良い場合、相談したにもかかわらず「もしかするとアナタの勘違いなのではないか」と言われてしまう可能性があります。
そんな事態にならないためにも、出来れば証拠を集めておくとよりスムーズです。
メールやLINEの履歴を残す
しつこくデートや食事に誘われていたり、メールやラインでもセクハラ発言をしているのであれば有難いですね。
向こうから証拠を残してくれるなんてラッキーです。
履歴を全て保存して残しておいてください。
また、後から「お前もその気だっただろ」と言われないためにも、自分が発信したメールも残しておくことをオススメします。
自分からのメールはあくまでも業務に関わる内容のみ、しかし相手からしつこくセクハラメールを送りつけているという証拠があれば確実です。
ボイスレコーダーで発言を録音
業務中の度重なるセクハラ発言は、ボイスレコーダーなどで録音するのが良いです。
ボイスレコーダーでなくても、最近はスマホの録音アプリで高音質で証拠を残すことが可能です。
またボイスレコーダーでお互いの会話を勝手に録音することは『秘密録音』と言い、盗聴にはあたりませんのでご安心ください。
しかし録音してまで証拠をゲットするのは手間がかかるので、少しでもはやく、たくさんの証拠を集めようと焦ってしまうかもしれません。
その場合にも、録音する内容がセクハラの証拠としてしっかりとした証明力を持つよう、不正な方法は避けるよう気をつけてください。
■こんな方法は避ける!
- 誘導尋問のようにセクハラ発言を誘い出す。
- 都合が良いように自分の発言を切り取って繋ぎ合わせる。
- 録音中に相手を脅してセクハラの事実を認めさせる。
これらの録音は、証拠として認められない可能性があります。
あくまでも普段の会話から、セクハラ発言が出ている様子を録音するよう注意してください。
医師からの診断書
上記でも説明したように、セクハラは対価型セクハラと環境型セクハラに分けられます。
とくに環境型セクハラに使える証拠として医師の診断書が有効です。
例えば、
- 度重なるセクハラ発言によって精神的苦痛を味わった。仕事に行こうとすると動悸が苦しくなることで、医師の診断を受けたらPTSDだった。
- セクハラに毎日悩まされ、眠れなくなったので医師から睡眠薬を処方してもらっている。
などです。
第三者からの意見は会社も受け入れ易いでしょう。
同僚たちからの証言
また、証拠として周りの人からの証言を取っておくのも有効です。
その際にはセクハラ日記を作って、毎日証拠を残しておくことをオススメします。
◯月◯日
上司から◯◯とセクハラ発言を受ける。
証言者△△さん(印鑑)
と、隣で聞いていた同僚がいれば、その人にセクハラ日記に印鑑を押してもらうのも良いでしょう。
その際も、実際は聞いていないのに印鑑を押してもらうなどの不正は行わないよう注意してください。
上司のセクハラが本当であっても、証拠に不正が判明してしまうと不利になってしまいます。
また、セクハラ日記で証言してくれた同僚や職場の人には、実際に会社からの聞き取りや裁判になった際の証言もお願いしておいてください。
このセクハラ日記はセクハラだけでなく、パワハラやマタハラの証拠集めにも使えそうなので良いですよね!
私が働いていたアルバイト先でこのセクハラ日記を付けていたら、1週間でノートがいっぱいになっていたかもしれません!
セクハラは苦痛ですが、証拠集めのためと考えたら少し楽しくなるかもしれませんね。
相手はこちらが催促しなくてもガンガン証拠を出してくれるんですから楽々です。
セクハラ対策5!上司に間に入ってもらって解決してもらう!
セクハラの証拠が集まったら、セクハラ上司との直接対決です。
信頼できる同僚や上司に間に入ってもらって解決を目指します。
直接話し合いの場を設けてもらうのも良いですし、他の上司から注意してもらうのも良いでしょう。
セクハラ上司への対応は、相談した人と話し合って決定してください。
上司からセクハラ上司に注意してもらう
もしも、セクハラ上司と直接話し合いをしたくない場合は、信頼できる上司から本人に直接注意してもらうようにお願いしてください。
その注意の仕方も、
- 会社全体にセクハラ啓発指導を行ってもらう。
- 名指しでセクハラ上司を呼び出して注意する。
- アナタから苦情が入っていることを伝えて処分を下す。
など、段階ごとに行うことができます。
今後の業務のことも考えて、上司や会社と相談して行なってください。
集めた証拠や証言で直接対決!
上司からやんわり注意してもセクハラをやめなかったり、「そんなつもりじゃなかった!」と逆上する場合は『セクハラ対策4!証拠集め!』で集めた証拠で対決してください。
相手は
「向こうもその気だった」
「嫌がっていると思わなかった」
と言い逃れする可能性があります。
徹底的に戦いたい場合は証拠を提示して、セクハラ言動でどれだけ傷ついたか想いを伝えてください。
さすがに証拠があれば、これ以上言い逃れはできないはずです。
セクハラ対策6!社内の相談窓口に相談!
セクハラ上司以外に相談できる上司がいなかったり、相談しても何も変わらなかった場合は、もっと大事にして会社全体を巻き込んでください。
社内の相談窓口に相談しよう
大きな会社であれば、社内にセクハラや業務に関すること全般の相談窓口があるはずです。
そこに駆け込んでセクハラ被害を訴えてください。
相談窓口は人事部や総務といった、普段あまり関わらない部署の人かもしれませんが、親身になって相談に乗ってくれるはずです。
男女雇用機会均等法の規定を守っている会社であれば、社内でのセクハラにどう対応すればよいかしっかりとしたマニュアルがあるはずなので、スムーズに解決に導いてくれますよ。
相談しても解決しない場合
社内に相談窓口が無い場合や、相談しても一向に解決に向けて対策を行わない場合、アナタが戦うべき相手はセクハラ上司と会社そのものかもしれません。
会社に「対応しないのであれば弁護士に訴える」と伝えても何も行動を起こさない場合は転職を考えた上で次の段階に移るべきです。
セクハラ対策7!社外の相談窓口に相談!
会社が頼りにならない場合は、外部の相談窓口に駆け込んで助けを求めます。
外部のセクハラ相談窓口とはどのようなものなのがあるのでしょうか。
セクハラホットライン!
セクハラ被害に悩む労働者を救済するため、日々様々なセクハラホットラインが立ち上がっています。
私も実際に調べてみると、NPO法人や厚生労働省・法務省、弁護士団体などのたくさんの相談窓口が見つかりました。
どの窓口も、匿名での無料相談に乗ってくれるだけでなく会社へ直接指導を行ってくれたり、話し合いの仲介、カウンセリング、希望すれば弁護士の紹介もしてくれるようです。
まずは自分に合った相談窓口を見つけて匿名で相談してみるのも良いですね。
労働局へ訴える!
この記事にも何度も名前が出ておりますが、職場での悩みを解決するには労働局などに相談するのが1番手っ取り早いのかもしれません。
労働局は、労働者の働く環境を改善するために労働者と企業との間に入ってアドバイスやトラブル解決に向けて色々な働きかけをしてくれる機関です。
各都道府県の労働局でもセクハラに対する相談窓口を設けているので、直接行って相談をするか、地域の労働局に直接電話で相談をしてみてください。
他のホットライン同様、匿名での無料相談を受け付けています。
さすがに、都道府県の労働局からの指示であれば会社も動かざるを得ないでしょう。
セクハラの相談先は労働基準監督署ではない!
労働基準監督署と聞いて、どのようなイメージが湧きますか?
ちなみに労働基準監督署と労働局は別のものですよ。
労働基準監督署は残業代の未払いや有給休暇についてなど、労働に関するどんな悩みにも瞬時に力になってくれる労働者の強い味方!そんなイメージですよね。
労働に関するどんな相談にも乗ってくれるイメージがありますが、じつは意外にも労働基準監督署は『セクハラ』に関する相談先ではないのです。
なぜなら、労働基準監督署は『労働基準法』に違反する会社にしか行政対応ができないから!
先述したように、セクハラに関する法律は『労働基準法』ではなく『男女雇用機会均等法』によって定められています。
なので、いくら労働基準監督署に泣いて訴えても、セクハラが労働基準法の管轄でない以上、何もしてはくれません。
助けてあげたくても、何もできないのです。
私もずっと、セクハラについての相談は労働基準監督署で良いと勘違いしていたので、今回調べてみて驚きました。
どちらも厚生労働省の管轄ですし、労働に関することなので、勘違いしやすいのですね。
セクハラに関する相談は労働基準監督署ではなく労働局へ!と覚えておいてください!
セクハラ対策8!弁護士に依頼して徹底的に戦う!
労働局からの会社への働きかけだけでは、腹の虫が収まらない場合、弁護士を通して訴えることも可能です。
セクハラ上司やセクハラを容認した会社にはそれなりに責任がありますからその賠償を償ってもらうのです。
セクハラによる慰謝料請求!相場は?
セクハラを受けて相手を訴える場合、その慰謝料の相場が気になりませんか?
私も実際にいくらもらえるのか気になったので、相場を調べてみました!
調べてみると、やはり被害や受けたセクハラの内容によってその相場は大きく差があるようでした。
●一般的なセクハラの慰謝料相場…50万円〜100万円!
意外と少ない気がしますが、相手にしっかりと有責の事実を認めさせるには良いかもしれません。
●セクハラによって退社した場合の慰謝料相場…100万円〜300万円!
受けたセクハラによって体調を崩して退社したとか、セクハラを拒んだことによってクビにされたとか。そんな退社理由は絶対許されないですよね!
数百万円もらえるのが妥当な気がします。
●セクハラによってPTSDを発症した事例…1000万円以上!
最初にも記載しましたが、強制わいせつ罪や強姦のような刑事事件に該当するセクハラ行為。
そのセクハラ被害を受けた女性がPTSDを発症した場合の損害賠償額が1千万円だったようですが、そんな金額では許せないほどの被害ですよね。
今後一生男性に恐怖を感じてしまう可能性がありますし、どんな大金をもらっても許せないほど憎いです。
今回調べてみた結果ではやはり、受けた被害内容や期間によって慰謝料の相場も高くなることが分かりました。
でも実際、相手にセクハラ加害者だという事実を認めさせるために慰謝料請求を行う人もいるようなので、額が少額でも勝ち取ることに意味がありそうです。
セクハラ上司に慰謝料請求や裁判で訴える手順!
それでは実際に、セクハラをしてきた相手に対して慰謝料請求をする場合はどのような手順になるのでしょうか。
弁護士と聞くとすぐに『裁判』を想像する人も少なく無いかもしれませんが、実際はもう少し穏やかです。
1、相手に対して内容証明郵便を送る。
内容証明郵便は個人から個人に出すことも可能ですが、送り主が弁護士名義の方が効果的です。
費用が許す限り弁護士に依頼して出してもらうことをオススメします。
内容証明郵便の内容は
・いつどこでセクハラを受けた。
・被害内容
・損害賠償を◯◯円請求する。
といった内容です。
ちなみに弁護士名義で内容証明郵便を送る場合の費用は、だいたい3万円〜5万円程度と言われています。
相談料や依頼費用で損しないためにも、弁護士に支払う費用のことも考えた上で、損害賠償金額を決めてくださいね!
2、相手が内容証明郵便の請求に応じる
相手が内容証明郵便の内容に応じた場合、請求額をそのまま払ってくれる場合と、減額の交渉をしてくる場合があります。
相手も弁護士を立てている可能性があるので、その場合は内容を確認しながらお互いの弁護士を通じて交渉してください。
交渉の内容としては
・会社のクビを取り消すから減額してください。
・支払い能力が無いので減額してください。
などです。
相手の要求に応じることができない場合や、相手が損害賠償請求に応じない場合は裁判となります。
こちらの交渉を弁護士に依頼した場合の料金ですが、だいたい10万円〜20万円程度だそうです。
弁護士によっては成功報酬も10%〜20%程度支払う必要があるので、慰謝料はほとんど残らない可能性がありますね…
でも憎きセクハラ上司に、セクハラを認めさせるためには仕方ありません!
損しない程度に戦いたいものです!
3、労働審判や裁判
交渉がもつれた場合、労働審判での話し合いや調停を行います。
裁判を行う場合、よりしっかりとした証拠や証人が必要となります。
裁判官が納得できるような証拠を集めて徹底的に戦ってください。
さらに裁判になった場合の弁護士費用は20万円〜30万円、成功報酬20%とかなり高額です。
高額な慰謝料請求が通るよう、悪質なセクハラの証拠をしっかりと準備しておいてくださいね!
セクハラ対策9!被害届を提出!警察に助けを求める!
もしもセクハラの被害が発言だけにとどまらない場合、刑事事件として被害届を出すことも検討してください。
先述したように、セクハラの内容によっては、強制わいせつ罪や強姦罪に値する可能性もあります。
会社で起きた揉め事は警察も出来るだけ社内で解決するよう促すので、しっかりとした被害内容や証拠を提出することが大切です。
まとめ
今回は、職場でセクハラ被害にあった場合の解決策についてご紹介しました。
職場でのセクハラは、会社側の対策で防止できる場合がほとんどです。
会社側が普段から目を光らせて、セクハラを根絶するという働きかけが必要なのだと思います。
もしもセクハラ被害にあってしまった場合にも、まずは落ち着いて証拠を集めたり信頼できる仲間を集めて味方につけてください。
どんなセクハラにも負けない強い心構えが必要です!