職場でいじめを受けたらどこに相談すればいい?

学校のいじめの問題はニュースなどになることも多いです。
ですが、職場でのいじめ、つまり大人同士のいじめに悩んでいるという人も実はとても多いのです。
大人の場合、つらい毎日の中無理をして仕事を続けてきたけれど「もう限界」と感じたとしても、生活ができなくなる恐怖があるので仕事を辞める決心をするのも怖いですよね。

職場でいじめを受けてつらいときは、すべてのつらさをひとりで抱え込まないことが大切です。
とはいっても職場でいじめを受けていてつらい場合、どこに相談すればいいのかさえ分からないという人も多いと思います。

そこで、いじめに悩んだ場合、どこに相談すればいいのか、どんなふうに解決していけばいいのかについてご紹介します。
つらい毎日を1日でも早く解決するための方法を見つけてみましょう。

いじめとパワハラの違いと相談先

いじめに関する相談窓口のご紹介をする前に、「いじめ」と「パワハラ」の違いというお話をしてみたいと思います。
「パワハラ」もある意味では立場の上の人や強い人が立場の下の人や弱い人に対しての「いじめ」のようなものということがいえますが、「パワハラ」と「いじめ」では相談窓口が変わることがあります。

せっかく勇気を出して相談してもパワハラの場合は相談にのってもらえる窓口であっても、「いじめ」の相談をした場合は解決に至らない可能性があります。
まずは、今自分が悩んでいるのは「パワハラ」なのか「いじめ」なのかの違いを知って、適切な人や窓口を選んで相談するようにしてくださいね。

いじめの定義

児童や生徒に関する内容の場合、いじめは「いじめ防止対策推進法」という法律でいじめというものが以下のように定義されています。

「当該行為の児童等が心身の苦痛を感じているもの」

これを大人に当てはめるとすると、相手にはいじめているつもりはなかったとしても、本人が「心身の苦痛を感じていることをされたり、いわれたりしている」と感じている場合は、「いじめ」と定義することができるといえます。

パワハラの定義

パワハラの場合は、いじめのように法律で決められた定義というものはありません。
しかし、厚生労働省では「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」のことをパワハラと定義しています。

これは客観的に見た場合、相手が自分よりも地位などが高い人が業務の適正な範囲を超えて精神的、身体的な苦痛を与えている言動や行動をしていると認められたときに「パワハラ」と認定される可能性が高いということです。

「いじめ」と「パワハラ」の違いで相談する窓口が変わることがある

今現在、「セクハラ」や「マタハラ」といったハラスメントに関しては、法律で企業に防止策を講じることが義務付けられています。
しかし、「パワハラ」に関してはこういった処置が取られていません。
厚生労働省では、「パワハラ」に関しても同じような処置を取ることができるように法の整備が進めようとしていますが、これは現時点では「パワハラ」に関して罰する規定が整備されていないという裏返しであるともいえるのです。

つまり、大人の「いじめ」や「パワハラ」を罰する法律がないので、相談する窓口によっては対応をしてもらえないというよりも対応が難しいケースがあるということなんですね。

人はなぜ「いじめ」や「パワハラ」をしてしまうのか

「いじめ」は、最近始まったことではありません。
誰もが知っているように「いじめ問題」は、かなり前から問題になっていますし、いじめをなくそうと様々な法律や関係機関で対応を試みていますが、なかなかなくなることがありません。では、人はなぜ「いじめ」や「パワハラ」をしてしまうのでしょうか。

「いじめ」をする人は、基本的には自分に「自信がない人」「幸せを感じられない人」ということがいえます。
自分に自信があったり、自分の人生に幸せを感じている人は、誰かを傷つける必要がないからです。

ですが、「自分に自信がない人」や「幸せを感じられない人」は、誰かをいじめることで自分の方が優位に立った気分になれたり、幸せそうにしている人に対して嫉妬していることを認めたくなくて、攻撃という行動を取ることがあるのです。

いじめをしてしまう人は、「自分で自分の価値を認めることができない人」と言い換えることができるのかもしれません。

「パワハラ」も同様で、権力を盾にして相手の立場を下げることで自分が優位に立っている、平たくいうと自分の方が「偉い」と思い込んで圧力をかけるといった行動をしてきます。
特に上司と部下の関係の場合は、部下は上司に簡単に歯向かってくることはないという気持ちもあるかもしれませんね。

「自分で自分の価値を認める」という行為は、本人にしかできないことです。
つまり、すべての人が自分で自分の価値を認めない限り「いじめ」や「パワハラ」をなくすことは難しいといえるのです。

いじめを解決できる方法はあるのか?

「いじめ」や「パワハラ」を罰する法律がないこと、自分に自信がなくて相手を下げることで自分の価値をあげようとして「いじめ」という行動を取る人がいるので、すべてのいじめをなくすのは難しいというご紹介をしてきました。

すべての「いじめ」や「パワハラ」をなくすのは難しいかもしれませんが、「いじめ」や「パワハラ」で苦しむ人をなくしたいという動きがあるため、いろいろな場所に相談窓口が儲けられています。
ですが、法律を基準にジャッジができない分、「いじめ」の問題を解決するためには「証拠集め」、「適切な窓口」や「適切な相手を選ぶ」ことが大切です。

可能ならば職場の中で信頼できる上司や同僚に相談する

状況的に可能なのであれば、信頼できる上司や同僚に相談してみましょう。
ただし、同じ社内の人に相談する場合は、「いじめている人」と上司や同僚との関係を慎重に見極めることが大切です。
また、「いじめ」という環境を変えるためにはある程度の権限がある人でなければ環境の改善に至らない可能性もありますし、最悪の場合は、今よりもさらに状況が悪化してしまうこともありえます。

問題の解決ができそうな信頼できる上司や同僚がいない場合は、外部の相談機関に相談することを検討してみましょう。

外部の相談機関に相談をする

内部の人に相談することで解決ができるのであればそれが一番負担のない方法だといえます。
しかし、相談する相手を間違えてしまいますと、前にもお話したようにさらに状況が悪化してしまう可能性があります。

そのような場合は、外部機関に相談することを考えてみましょう。
「いじめ」などで悩んでいる場合、どんな機関に相談できるのかをご紹介します。

「いじめ」を相談できる場所とは

外部に相談できる場所はいくつかあります。自分の状況に合った最適なものを選んで相談してみてください。

1.こころの耳

「こころの耳」は、平成30年度の厚生労働省委託事業として一般社団法人日本産業カウンセラー協会が受託して運営しています。
会社に信頼できる人がいない人や、労働基準監督署・労働局にいきなり相談するのは敷居が高いと感じている人は、まずは「こころの耳」にメール相談や電話相談をする方法をおすすめします。

自分の心の叫びを誰かに聞いてもらえるだけでも少し気持ちが安らぐことができますし、今後の対応などをアドバイスしてもらうことができれば、次に自分がどんな行動をすればいいのかわかると気持ちがさらに楽になれると思います。

こちらのページから自分に合った相談窓口を探してみてください。
http://kokoro.mhlw.go.jp/agency/

2.ハローワーク

ハローワークは、主に雇用に関する相談にのってもらうことができる場所です。
たとえば、失業保険を申請する場合、本当は会社都合による退職だったにも関わらず会社の圧力(パワハラ)などがあり、自己都合による退職にされてしまったなどの場合は、相談にのってもらうことができます。

3.労働基準監督署・労働局

労働基準監督署・労働局では、「労働基準法」に違反している内容について相談にのってもらうことができます。
ですが、いじめやパワハラに関しては、法律で定められていないため、取り締まることが難しいんですね。
ただし、労働基準監督署や労働局に設置されている『総合労働相談コーナー』では、「いじめ」や「パワハラ」についての対処方法などの相談にのってもらうことができます。

「総合労働相談コーナー」の詳細は、こちらで確認することができます。
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/dl/01a.pdf

各都道府県の労働基準監督署・労働局の所在地はこちらで確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shozaiannai/roudoukyoku/index.html

4.労働組合

「いじめ」などを受けている場合は、会社の労働組合に相談することも可能です。
ただし、会社の労働環境や条件などの改善の場合は、すぐに対応してもらえる可能性がありますが、個人的な「いじめ」などの場合は対応が難しいことがあります。

5.弁護士

弁護士に依頼すれば、法律の専門家として具体的な解決方法についてのアドバイスや解決のための対策をしてもらうことができます。
ただし、弁護士に依頼する場合は、費用がかかる可能性があること、内容がかなり悪質だと認められない場合は解決するのが難しい場合があるということです。

「いじめ」で悩んでいる場合、本当の解決方法は「いじめ」がなくなることですね。
しかし、弁護士などに依頼する場合は、「いじめ」に対する損害賠償請求をして賠償金を支払ってもらうという解決をすることがあります。
賠償請求をするとなると、それを立証できる証拠なども必要になりますし、話が大きくなると今よりも状況が悪化してしまう可能性も大きいです。

・いじめの状況が悪化するのが怖い
・「いじめ」を立証する証拠が乏しい

といった状況の場合は、他の手段を検討することをおすすめします。

相談するときは「いじめ」に関する証拠を集める

いじめについて外部機関に相談する場合は、「いじめ」を受けている証拠を集めることが大切です。
テレビなどでも報道されているので目にしたことがある人も多いと思いますが、暴言を吐かれたときの様子を録音しておくと相手は言い逃れができませんね。
他にも、人格を否定されるような文面がメールなどで送られてきた場合はプリントアウトをしておく、可能であれば動画を撮影しておくと証拠にすることができます。

「いじめ」は、継続的に行われていることが多いので、いじめを受けた日にちや時間なども記録し、証拠を蓄積していくと、より信ぴょう性を高くすることができます。

いじめによる暴行被害や健康被害があった場合は、病院で診断書の作成を依頼しておくと証拠として使うことができます。

悪質ないじめの場合は退職も視野に入れましょう

「いじめ」の問題で一番やっかいなのは、会社の上司などが加害者に止めるように指導があったとしても、加害者本人が「いじめ」を止める、または会社を辞めるといったことがなければ、証拠を残さないようにするなど「いじめ」が悪質化する可能性があるということです。

信頼のおける上司や外部機関に相談して解決する可能性があるのであれば、いじめをなくす方向で行動を起こすことは意味のあることですが、誰かに相談したことで状況が今よりも悪化してしまうのであれば、相談をしないほうがよかったということになってしまう危険もあるということです。

経済的な状況や、すぐに新しい仕事が見つからないかもしれないという不安もあると思いますが、悪質ないじめを受けている場合は、「退職する」ということも視野に入れて行動することも必要です。

まとめ

「いじめ」は許される行為ではありません。
「人格を否定するような言動や行動」「嫌がらせ」「無視をする」といった行動をしている人が罰せられることがなく、一方的にあなたがつらい思いをしているのは理不尽だと感じてしまいますね。
何も悪いことをしていないのに、自分が職を失う(退職)するのは納得ができないという人もいるかもしれません。

でも、一番大切なのは相手を罰することではなくて「あなた自身を守る」ことです。
そして、あなたがより健全な環境で仕事ができるようになることです。

今回ご紹介した窓口を参考に、「いじめ」の証拠をできるだけ集めて、自分が相談できる場所に相談することから始めてみましょう。
そして、「いじめ」に対しては、戦うだけではなくときには逃げる勇気も必要です。
周りに相談しても解決に至らない、または状況が悪質な場合は、転職も視野に入れて自分に合った解決方法を見つけていきましょう。

 

 

 

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