時短ハラスメントとは?ジタハラを受けているときの6つの対策方法
2018年は『ジタハラ(時短ハラスメント)』という言葉が流行語大賞でノミネートされ、話題となりましたね。
政府が推進する働き方改革や長時間労働の削減とは裏腹に、新たに生まれた『ジタハラ』とは一体どういった意味なのでしょうか?
この記事では、
- 時短ハラスメントの意味
- 時短ハラスメントを改善するための対策6つ
- 時短ハラスメントが改善されないときの対策6つ
- どんな工程があるか
- どれくらい時間がかかるか(計画)
- どれくらい時間がかかったか(実績)
- 余裕がある人への、割り振り
- 納期の延長(交渉)
- 効率よく仕事をするための指導
- 相談して時間内に終わらせる
- 「帰れ」と言われたら帰る
- 社内文書をクラウドで管理する
- キャビネットやデスクの整理整頓
- 新人にもわかるマニュアル化
- スケジュールの共有
- お昼寝タイムを作る
- 頻度が高いメールのテンプレート作成
- 定形文の登録
- タスク管理
- 残業せずに帰れと帰宅を強制させられた音声や日時の記録
- 仕事量を上司が把握していたか
- 納期の延長を拒否されたメール
- サービス残業を促すメールや音声
- 直属の上司に言われた具体的な内容
- 納期の延長依頼など改善策を行ったこと
- 何をしても改善してくれなかったこと
についてお伝えします。
ジタハラを受けた時に自分たちで改善する方法や、頑張ってみたけれど改善されないときの対処法がわかりますよ。
ぜひ、参考にしてくださいね。
時短ハラスメント(ジタハラ)の意味とは?
そもそも時短ハラスメント(ジタハラ)とは一体どのような意味なのでしょうか。
ジタハラは、部下や同僚に圧力をかけて威圧するパワハラや、性的な嫌がらせをするセクハラと似た、最近生まれた新語です。
まずはそんなジタハラの意味や起こる原因を説明いたします。
あなたは時短ハラスメント(ジタハラ)を受けているかも?
あなたは仕事が立て込んで忙しいにもかかわらず、上司から
と言われたことはありませんか?
時短ハラスメントとは、職場で上司や会社から業務時間の短縮化を強要されるハラスメント(嫌がらせ)です。
業務時間の短縮化と聞くと、仕事の時間が減っていいじゃないかと思うかもしれませんね。
しかし業務時間が減っても、仕事量が減るわけではないんです。
仕事量は同じまま業務時間だけ減ってしまうと、どうなるでしょうか?
会社でできなかった仕事を持ち帰り、自宅で終わらせなくてはならなくなりますよね。
ジタハラは会社から適切な改善策を提示されないまま、業務時間だけを減らされることで、
と従業員への負担を増やしてしまうのです。
私が以前勤めていた会社では、NO残業デーを作ったことで、他の日の残業時間が大幅に延びるといった悪循環が発生し問題となりました。
NO残業デーを無意味に作っても、他の日にしわ寄せが来るのであれば、意味がないどころか従業員の負担を増やすだけですね。
『時短』という言葉から『短時間勤務』で働く人へのハラスメントと誤解されがちですが、そうではありません。
ジタハラは、
『社会で働くすべての人に関係する身近な問題』
なのです。
時短ハラスメントの原因・背景
時短ハラスメントが起こる原因は、何と言っても政府が主導している『働き方改革』に関係があります。
政府は働き方改革を行う事で、日本全体の働く時間を削減し、過重労働や過労死の対策に取り組み始めました。
しかしこの流れに危機感を覚えた企業は、制度への理解や、しっかりとした対策を行うことなく残業だけを制限してしまいます。
そして従業員は、限られた時間の中で今までと同じ仕事をこなさなくてはならず、負担が激増してしまいます。
政府による労働者救済のための制度が、まさかの労働者の首を絞める結果となってしまったのです。
結果として残業時間だけをカットされてしまった従業員たちは家に持ち帰って仕事をしたり、タイムカードを定時で切って残業したりと、より過酷な状況に追い込まれてしまいました。
そのため、
『働き方改革が、サービス残業やブラック企業を生む!』
となんとも皮肉な結果を招いてしまったのです。
時短ハラスメント(ジタハラ)を改善するための対策6つ
と言いつけるだけの会社に対し、私たち従業員側が行える対策は次の6つです。
一つずつ紹介しますね。
ジタハラ対策1、仕事量の可視化(見える化)
ジタハラを受けないためには、仕事量の可視化(見える化)がとても重要です。
と叫んだだけでは、
と言われるだけです。
まずは、
などをまとめて、客観的に見て、仕事量が多いことを上司や会社にアピールしてくださいね。
ジタハラ対策2、報告連絡相談の徹底
就業時間直前に、
と悲しんでも、
と言われるだけです。
そこで重要となってくるのが「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」を徹底的に行うことです。
常識的な上司なら、部下が時間内に仕事を終わらせるために、何らかのアクションをおこさないといけなくなります。
具体的には、
などです。
その結果を報告として受けることで、上司はさらにアクションをおこします。
そうして、少しずつジタハラがおきにくい職場環境にかわっていきます。
実際のところ、直属の上司は会社から残業を減らすように通達されています。
ですが有効な手段がみつからず、仕方なく部下に帰宅するように指示していることが多いのです。
お互いに歩み寄って、一緒に良い方法を探すのが一番現実的ですね。
相談しないと、なにも変わりません。
仕事量が多いようなら、なるべく早く
「仕事が終わりません!」
とアピールして、ジタハラを受けないようにしましょう!
ジタハラ対策3、同僚や後輩の仕事量も把握
上司に相談しても、何もしてくれないケースもあります。
そんなときは、一緒に働く人の労働実態の把握が出来れば、自分たちで適切な業務配分を行うことが可能です。
まずは自分や同僚、後輩の仕事内容をしっかりと把握して、それぞれにあった内容で無理なく働くことが出来ているか認識する必要がありますね。
そして忙しい時に助けてもらえるように、余裕がある時は同僚の手助けをすることを、普段から意識しておくことが大切です。
ジタハラ対策4、残業しない!業務を持ち帰らない
長期間ジタハラが続いている場合は、
と言われたら負担に感じることなく、さっさと帰ってしまいましょう。
サービス残業をするのも、業務を持ち帰るのも禁止です。
業務時間が減ってしまったことで、出来なくなってしまった仕事は上司に伝えて潔く翌日に回してください。
自分の意識を変えてしまえば、どんなにジタハラをされても
と思えるようになりますよ。
責任感を持って仕事を終わらせるのは、社会人として当然のことです。
ですがそれをあてにして、ジタハラを黙認している企業は健全な企業とはいえません。
頑張りすぎて、仕事が嫌いになる前に、時には責任感を放棄することも必要です。
ジタハラ対策5、勤怠管理・残業時間の記録
ジタハラを受けないために
といった対策はとても大切です。
しかし、取引先やお客様に迷惑がかかることを考えて延期できない仕事もありますよね。
そういった理由で残業を余儀なくされてしまった場合は、しっかりと残業代の請求を行うことが大切です。
仕事内容や量を理解したうえで「残業するなと言ったはずだ」という上司の言い分は通るハズがありません。
そもそも時間外労働をした場合、会社は基本給に対して25%以上の金額を割り増しして支払わなければならないということが、労働基準法で定められています。
タイムカードを切った後のサービス残業や、自宅に持ち帰っての仕事もしっかりと管理・記録をし、会社に請求できるよう準備しておいてくださいね。
ジタハラ対策6、労働環境の改善・効率化
時短ハラスメントは許されないことですが、労働環境の改善・効率化をして、所定時間内に仕事を終わらせる努力も必要です。
労働環境の改善は、
などです。
自身で行える業務の効率化は
などがあげられます。
どうしても会社の協力が必要なものは置いておいて、まずは自分だけで取り組める環境改善や効率化を試してみてくださいね。
時短ハラスメントが改善されないときの対策6つ!
上の章でご紹介した「ジタハラを改善するための対策」を行っても会社側の考えが変わらない場合、職場とは徹底的に戦う必要がありそうです。
どんなに提案しても納期の延長を認めてくれなかったり、残業代の請求を拒否されてしまったのであれば会社側に改善要求を出してもらうことが可能です。
そのための手順をご紹介します。
1、証拠を集める
ジタハラを受けてしまった場合、セクハラやパワハラ同様『証拠集め』がとても大切です。
証拠になるもの
などがあれば、すべて残しておいてください。
労基や労働組合に相談する際、とても重要な判断材料となります。
2、力になってくれる上司に相談する
直属の上司から時短ハラスメントを受けてしまった場合、他の部署や上司の上の人に相談してみてください。
その際には、上司や会社全体の愚痴になってしまわないよう
を証拠の提示とあわせて、訴えるようにしてください。
ジタハラを行っているのが直属の上司だけだった場合、会社側から何らかの措置が行われるはずです。
直属の上司よりも上の人に話したにも関わらずジタハラが改善されない場合、会社全体の問題として外部の窓口に相談する必要がありそうです。
3、社内の相談窓口や労働組合に相談する
直属の上司のさらに上の上司に相談しても問題が解決しない場合、社内の相談窓口や労働組合に相談することをオススメします。
自分の部署内だけで解決しないと判断した場合は、話を大きくしてしまって問題ありません。
労働組合であれば残業の廃止に関しても周知されているはずなので、それによって従業員からクレームが出ているとなると問題解決に尽力してくれる可能性があります。
ただし、あくまでも労働組合も相談窓口も結局は社内の人間です。
どんなに相談しても頼りにならないと判断した場合には、潔く外部の相談窓口に相談を持ち掛けるようにしてください。
4、労働基準監督署に相談する
会社のジタハラにより、サービス残業を余儀なくされてしまった場合、労働基準監督署に告発してしまうのが一番の解決策です。
労働基準監督署とは、労働基準法に基づき企業の問題を把握し監督・指導する機関です。
証拠をもって相談に行けば、まずは行政から本当にサービス残業が行われていたのかという「抜き打ち調査」が入ります。
その調査をもとに、行政は業務の改善命令や未払いの残業代の支払いを命じます。
相談は、電話やメール、直接行って担当者と話すこともできます。
しかし、しっかりと証拠を出さないと動いてくれない可能性があります。
サービス残業の証拠もないのに「残業するなと言われた!」と訴えても問題視されないのは明白ですよね。
まずは、労働基準監督署が調査を行ってくれるほどの証拠を用意することが大切です。
労働基準監督署は全国に300件以上も存在しています。
まずはあなたの会社がある地域の労働基準監督署に連絡をして(匿名でも可)、証拠にはどのようなものが適しているのか確認するのも良いですね。
■総合労働相談コーナーの所在地|総合労働相談コーナーのご案内
5、弁護士に相談する
サービス残業の未払いは、過去2年分をさかのぼって請求することが可能です。
労働基準監督署はあくまでも、全国の企業の間違いを正すという姿勢のため、時間をかけて調査をし、改善命令や支払い命令を与えます。
しかし弁護士に依頼した場合お金はかかりますが、依頼してくれたあなたのためだけに徹底的に会社と戦ってくれます。
「サービス残業代を1円でも多く支払わせたい」と考えている場合は、残業代の請求に強い弁護士に相談するのが得策です。
会社の環境を改善したいのか、残業代を請求したいのかしっかりと判断し、自身の目的に合わせた対応が大切です。
6、転職する
会社と戦うためには、証拠を集めたり、協力してくれそうな人と相談したりと、時間も労力が必要です。
弁護士に依頼すると、さらにお金もかかります。
会社のためにそんな労力を使いたくないと考えるのであれば、潔く転職を考えるのも良いかもしれません。
ニュースでよく報道されている過労死やストレスによる自殺から身を守るためにも、ブラック企業のような会社からは一刻も早く逃げ出す方が得策です。
自身の勤める会社には改善の余地があるのか、手間を取らずに逃げ出した方が良いのか、しっかりと考えて行動に起こしてくださいね。
まとめ
今回は、最近話題となっている「時短ハラスメント(ジタハラ)」についてご紹介しました。
自分の身を守るためにも、ジタハラは絶対に許してはいけない行為です。
まずは自分で行える業務の効率化、会社への働きかけを行い、それでも解決しない場合はしかるべきところへ相談してみてください。
決して一人で抱え込まずに、何かあったときにはすぐに行動に移せるよう意識しておくことが大切です。