仕事をする意味とは-私たちはなんのために仕事をしているのか

「仕事をする意味ってなんだろう」
「自分はなんのために仕事をしているんだろうか」
最初は、
「この会社に入りたい」
「この仕事をしたい」
そんな気持ちで就職したのに、今では働く事に疑問を感じていることってありますよね。
そこで今回は、仕事をする意味について考えてみました。
私たちが仕事をする本当の意味や目的とは
私たちが仕事をする意味や目的には、大きくわけて以下の3つが考えられます。
1.生活のため
2.充実感を味わうため
3.幸福感を味わうため
具体的にどのようなことなのか、1つずつご紹介します。
生活のため
仕事をする意味や目的は?と聞かれたら、「生活のため」と答える人が多いのではないでしょうか。
生きていくためには、お金が必要です。
お金を稼ぐ手段として一般的なものが、仕事をして労働の対価としてお金を受け取るという方法です。
現実を見ても、生活のために仕事をしているという人は多いと思います。
冒頭でもお伝えしたように、会社に入る前は「この会社に入りたい」「この仕事をしたい」と思って入社したはずなのに、いつの間にか何のために仕事をしているんだろうと思ってしまうことがあります。
それは十分な収入をえている今の状態が、無意識のうちにずっと続くと考えていて、生活のために働いているという感覚を失っているからです。
そして、生活のために変わる、新たな目的を探しているのです。
充実感を味わうため
仕事で感じられる充実感にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここで1つ質問です。
仮にあなたが明日から一生仕事をする必要がなくなったとしたらどんなことを感じますか?
最初のうちは、ゆっくり寝たり、好きなことをしていることが楽しく感じるかもしれません。
でも、それが一生続くとしたら、家にいることが苦痛に感じてしまう人もいると思うのです。
やりたくないことはやらないほうが楽だったとしても、何もやらなくていいという状態も苦痛に感じてしまうことがあるんですね。
つまり、仕事はいつの間にかお金を稼ぐ手段としてだけではなく、自分の生活の中で必要なものになっているということです。
他にも、「無理だと思っていた仕事を成功することができた」「会社から高い評価を受けた」ときは、達成感や充実感を味わうことができます。
このような充実感は、簡単な仕事をやったときよりも、困難な状況で達成したときの方がより多くの充実感を味わうことができます。
もちろん、仕事以外にも趣味や好きなことで充実感を感じられることもあります。
ですが、仕事でしか味わえない充実感というのもあるということですね。
幸福感を味わうため
幸福感を感じられることはいくつかあります。
「好きなものに囲まれているとき」「心が満たされているとき」「人から感謝されたとき」「人から認められたとき」などです。
自分の仕事が誰かの役にたったと感じた時、充実感だけではなく、幸福感を感じることができます。
自分の知識や技術は、自分にとってはあたりまえのことであっても、誰かの力になることがあります。
自分の仕事が誰かの幸せになるということです。
自分の仕事で誰かを幸せにすることができると、それが自分の幸せになって返ってきます。
自分が幸せになるために、仕事をしていると意識をすることは少ないかもしれません。
でも、誰かの役に立つことができた、誰かを幸せにすることができたと感じられると、自分自身も幸せだな感じることができますね。
マズローの欲求5段階説から考える仕事の意味
アブラハム・ハロルド・マズローという名前を聞いたことがありますか?
マズローは、アメリカの心理学者で、人間の欲求階層を主張したことで有名な人です。
「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」という仮説のもと、人間には5段階の欲求があり、下位の欲求が満たされると上位の欲求を満たしたいという願望が生じるという自己実現理論を唱えました。
下位のものほど、欲求が強い | ||||||||||||
上位 | ||||||||||||
↑ | 5 | 自己実現の欲求 | ||||||||||
4 | 承認の欲求 | |||||||||||
3 | 社会的欲求 | |||||||||||
2 | 安全の欲求 | |||||||||||
1 | 生理的欲求 | |||||||||||
下位 | ||||||||||||
1段階目~2段階目は、生命を維持すること、身体の安全を確保したいという本能の欲求です。
3段階目は社会的欲求で家族や会社といった集団に所属して満足感を得たいという欲求です。
仕事の意味という点から考えると、会社に入るということで会社という集団に属したいという欲求が満たされるということがいえます。
4段階目は承認欲求です。
初めは、会社という組織に属しているだけで欲求が満たされているのですが、それが満たされると、会社や周りの人から認められたいという欲求が出てきます。
5段階目は自己実現の欲求です。
自分は、会社や周りの人から認められている、頼りにされていると思えるようになると、自分の持つ能力や可能性を発揮したいという欲求が出てきます。
会社という組織に属することで、「社会的欲求」を満たし、会社や上司から認められることで「承認欲求」を満たします。
そして、自分ができる仕事の内容や幅が増えてくると、自分の能力を発揮したい、もっとすごい挑戦をしたいという「自己実現の欲求」を満たしたいと思うようになります。
このことから、仕事をする意味とは「自分の欲求を満たすこと」ということがいえるのではないでしょうか。
世の中無意味な仕事が多すぎる!
世の中無意味な仕事が多すぎる!
なんてことを思った経験はありませんか。
私自身、なんでこんな仕事をする必要があるんだろうとか、なんでこんな効率の悪いやり方で仕事をしなければいけないんだろうと思った経験が何度もあります。
でも、その仕事はあなたが無意味だと思っているだけで、実はその仕事には意味がある可能性もあるんです。
自分にとって意味を見出せない仕事とは
自分が仕事に意味を見出すことができないと、仕事に対するモチベーションが低下してしまうことがあります。
ですが、会社という組織に属して仕事をしている場合、自分がやった仕事は会社にとっては意味の仕事なんです。
この仕事をやる意味ってなんだろうと思ったときは、仕事を流れで考えてみてください。
自分のやった仕事は、会社全体の仕事のどの部分にあたるのかが見えてくると、意味を見出せるかもしれませんよ。
仕事に意味を感じられないならその仕事のいい面を探してみよう
それでも意味を感じられない場合は、その仕事のいい面を探してみましょう。
たとえば気を使わずにできる仕事だから少し気分がほっとするとか、頭を使わずにできる仕事だから気分転換になるなどです。
ほんの少しでも仕事のいい面を見つけることができれば、仕事が苦痛ではなくなりますね。
「仕事は3年続けなさい」この意味って何?
「仕事は3年続けなさい」という言葉、一度は耳にしていると思います。
仕事を3年間続けるということには、いくつかの意味が考えられます。
(1) 3年くらい続けてみないと、仕事の良さがわからないから
(2) 最初のうちはできる仕事には限りがあるので、自分のやりたい仕事ができるようになる前に辞めてしまうのはもったいないから
(3) 退職金や福利厚生面を考えると、3年くらい働かないとメリットを感じられないから
(4) 3年目くらいになると他の部署の人との交流も増えるので、刺激を受けたり、自分が成長できると思うから
(5) 短期間で辞めてしまうと、転職に不利になると感じるから
「仕事は3年続けなさい」には、根拠がないと考えている人もいますが、転職するならとりあえず3年働いてからと考えている人が60%を超えるというデータもあります。
しばらく続けてみることで、はじめて自分に合う、合わないが判断できます。
後輩ができたり、大切な仕事を任せてもらえるようになったのが3年目以降だったという意見もあります。
どう判断するかは個人次第ではありますが、早急に退職や転職を判断してしまうと、後悔してしまうこともあります。
仕事を辞めたいという気持ちになったときは、3年という年数にこだわるのではなくて、まずは「どうして転職をしたいのか」をじっくり考えるべきです。
仕事を頑張る意味がわからなくなったときは?
嫌な仕事を毎日していたり、理不尽なことばかり言われながら仕事をしていると、「なんで自分はこんなに仕事を無理して頑張らなければいけないんだろう」という気持ちになってしまうことがあります。
そんなときは、以下のことを試してみてください。
仕事をしていたことでよかったことを思い出してみる
今の仕事は苦痛なことばかりかもしれません。
でも、今までやってきた仕事の中には、やりがいを感じたり、誰かに感謝されてうれしくなったこともあったはずです。
嫌なことや不安なことを考え始めてしまうと、頭の中は嫌なことや不安なことで埋め尽くされてしまいます。
そんなときは、今まで仕事でよかったことや楽しかったことを思い出してみてください。
よかったことや楽しかったことを思い出していると、少しずつ自分の気分が改善されてくることを実感できると思います。
嫌なこと・やりたくない仕事は断ってみよう
仕事の中には、「この仕事、嫌だなぁ」とか「やりたくないなぁ」というものがありますよね。
仕事は断ってはいけないものとか、断ったら怒られるかもと考えると、断れないものですね。
しかし仕事を1回断ったくらいでは、会社をクビになってしまうことはありません。
仕事をすることに意味を見出せず、仕事をすることに苦痛を感じているときは、思い切って断ってみてください。
嫌なことを全部やらなくても大丈夫なんだということがわかると、少し気持ちが楽になれますよ。
仕事をしなくても生活ができるとしたら?
仕事をしなくても生活ができるとしたら、あなたは何をしたいですか?
このとき、自分の中に沸き上がってくる答えは、あなたが今の生活で本当にやりたいと思っていることです。
自分の人生は自分だけのものです。
我慢している生活をやめて、思い切って自分のやりたいことに挑戦してみるという選択もできます。
ちょっとだけ勇気を出して、自分のやりたいことをやる道に進んでみてください。
進んでみると、意外と簡単に自分のやりたいことってできたりしますよ。
「世界は誰かの仕事でできている」
「世界は誰かの仕事でできている」
とあるCMのパクりですが、この言葉は本当にそのとおりだなと思います。
「自分には関係ない仕事をしている人だっていっぱいいる」と感じることもありますが、自分には関係なくても自分の家族や友達が助けられているかもしれません。
あなた自身は仕事に意味を見出せなくても、あなたの存在すら知らない誰かの役に立っているのです。
そう考えてみると、自分のやっている仕事に誇りを感じますね。
まとめ
マズローの自己実現論というお話をしましたが、人は自分1人だけでは自分自身の欲求を満たすことができないんですね。
もしもこの世の中で自分1人だけになってしまったとしたら、幸福感を味わえないんです。
つまり、他の誰かがいてくれるおかげで、自分の幸せを感じることができるんですね。
今の仕事に仕事をする意味を感じられないときは、無理して頑張り続ける必要はありません。
でも「自分の仕事が自分の知らない誰かの役に立っているかもしれない」と思えたら、今の自分の仕事の意味が見えてくるかもしれませんよ。